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何も無い


何も無い




そう、何も無い




考えても考えてもそこは真っ白
だって、俺の中にはもう仲間なんて居ないんだから


生きてる心地を忘れている。

身体は確かに存在しているが、
痛みとか、感情とか気持ちとか

全然、わけが分からない




(……ああ、何だかムカムカする)

ひたひたと構わず歩き回るが、
掴めない何かに苛立ちを感じる。


今更 生についてなんて、どうでもいい
死んだら死んだで別にどうってことはない




腹が減り、同じような味の飯を頂く
またこれも飽きる、飽きる飽きる

流し込むように体に入れ、ぶっきらぼうに寝転がる。


「ダミュロン?」


アレクセイの声が部屋に入る。
また、この人の話を聞かなければならないのか

内心 面倒くさかった。


「ダミュロン、診るから体を起こしてくれ」
しかし、俺は動く気はない

いつも彼はそう言うのに自分から動く
俺を何かに試しているのか、気持ち悪い


「異常なし、と」
ノートに俺の体調を書き写し、それは閉じられる。
「ダミュロン、私は――――」


何か喋っている。
どうでもいい、どうでもいい

窓を眺め、空にある雲を探す。
だが、アレクセイにカーテンを閉められた。

何だよ、さっきから俺の邪魔ばかり


「ダミュロン、私の話を聞いているのか?」
「……聞いてないですよ」
包帯を解いたり、巻いたり
何度も暇そうにそれは繰り返される。


「…ダミュロン、聞い「そうだ」
俺は立ち上がり、アレクセイを強引に引き倒した。
急に引かれたアレクセイは俺の下に倒れ、唖然としている。
「な、何をッ――――!?」
直ぐさま馬乗りになり、上から見下した。

「騎士団長もこうなればただの人間」
俺は首を目掛け、噛み付いた。
「がッ、ダミュロっ…!!」
同時に強く、強く吸い上げ、跡を残す。
「待っ、ダミュ…!何をッ!?」
「何って…暇潰し」
直ぐさま反論しようとする唇にも噛み付き、封じる。
「ん、うッ……っ、ッあ!」

信じられないという表情で俺を見るアレクセイ
そんな視線がまた俺の欲を上げる。
「ここで殺してくれるなら止めますよ
止めないなら俺は貴方を好きにしますから」
本気でそう告げると、アレクセイの目は揺らいだ。
俺にとってはどちらも好都合な条件だ

「待っ、待て…ダミュロッ!」
抵抗も無視だ、邪魔でしかない
暇潰しに最も最適なのが目の前に居た。

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「アレクセイっ」
元気良く、少年が入り込んで来た。

「…って、何やってんの レイヴン」
戯れるレイヴンに冷たい視線を送る
「やぁねぇ!わんこと遊んでたの!分かる?」
「……まぁいいや、いつものことだし
それよりアレクセイ 体調はどう?」
少年酷い!という声が響くが、全く聞いていない様子
それに私は苦笑し、良好だ と答える。

「良かったぁ~…うわっ!」
私は少年を強く抱き寄せた。
そんな様子にレイヴンとラピードはポカンとなる。
「…少し、人恋しくなっただけだ……」
「……しょ、少年ずっるーい!俺様大将とはもう何年も居るのに!」

わざとらしくレイヴンは喚き出す。
「お前とは生還したという意味で抱き合ったろう」
勿論 下品な意味ではなく、騎士に居た時の話だ

「う゛…!まぁ、そうですけど……わ!?」
あの頃はまだ騎士同士だったものだから、今のこの感触に少し驚いた。
結果的には私も、レイヴンも騎士団からギルドに身を寄せた。
それから様々な想いが巡り、嗚呼 彼が生きていて良かったと思った。

「ワウ!ワンッ!!」
ラピードがレイヴンの後ろでせわしく鳴いている。
「あら、わんこも?」
「ガウッ」
犬とは抱き合った事は無いのだが、と苦笑しつつも抱き合ってみる。
「ワフッ」

「あらずるいわね、私も抱きしめて欲しいわ」
割って来たのはジュディスだった。
「ジュディスちゃん!それなら俺様がぶへっ!」
「……大丈夫?レイヴン」

ジュディスが私に近付いて来て、自ら抱きしめて来た。
「ん、待っ…ジュディスっ!」
相手が相手だからか、む、胸が当たる…!
いやいや、問題は別だ 紳士的に考えるべきだ
あくまで抱きしめ合うのだ、背中に手を回し、抱き合った。
「案外抱きしめ合うのも馬鹿に出来ないわね
想いを共有する事を意味してくれるものだもの」
(……共有か…)

「…で、いい加減入って良いか?」
「忘れ物じゃ」
その光景をどうやら見ていたローウェル君と海賊の少女が入って来る。
「ほらよ」
薬を机にローウェル君は置いてくれた。

「何よぅ!大将と抱き合えるなんて滅多に無いわよ」
レイヴンはやや不機嫌そうにそう言った。
「へぇ……んじゃ、オレも」
まさかと思った時には、既にローウェル君は目の前に
「おわっ!ローウェル君ッ」
「ユーリで良いよ」
わ、分かった…と了承したものの、この調子ではもしかして
「良いな、抱き合うってのも」
ユーリは離れ、にんまりと笑った。

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