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「なー、アレクセイは何書くんだ?」
短冊をぴらぴら見せるユーリにアレクセイは眉を潜めた。
二人暮らしを初めて早数カ月
「特に考えてないな」
アレクセイを監視していて
以前の、善意ある彼になっていた。
帝都に居れば騎士団の管理もあり、監視を任されたのがユーリなのだ
「世界征服」
「ふざけんな」
ペンが私の頭を的中
「…冗談だ」
「あんたのは冗談に聞こえねっつの」
ペンを拾い、ふむ と呟いた。
「本当に、特にないのだが…」
「書かなきゃ今日の夕飯はケーキにするぜ」
「…それは困ったな」
アレクセイは椅子に座り、足を組んだ。
「小せえけど笹買って来たんだぜ」
それを倒れないように彼は固定していた。
「オレが小さい頃は、よく願い事書いたなぁ」
「例えば?」
「んー、甘い物沢山食べたい、とかな」
そう笑う彼に私は苦笑した。
「将来太るぞ」
「うるせぇ」
「願い事、か……」
唸る私にユーリは苦笑した。
「ま、そこまで真剣じゃなくても良いんだぜ」
「せっかくなのだ、何か書きたいものだが
というか、これは何個も書いて良いのか?」
「いや、ダメだと思うぜ」
そうか、と アレクセイは再び唸った。
「ちょっと買い物行ってくる
それまでに書き上げてろよ~?」
「努力しよう」
願い事に努力を込められても、とユーリは真剣な彼に肩を竦めた。
「ただいまーっ」
「おかえり」
「どうだ、なんか書けたか?」
ああ、とアレクセイは頷いた。
「じゃ、飾ったらお互いに言おうぜ」
ユーリとアレクセイはそれぞれ短冊を笹に飾った。
「オレは“アレクセイがクレープを作ってくれますように”って書いたぜ」
「太るぞ」
「だからうるせっての」
次はアレクセイだぜ、とユーリは促した。
「“ローウェル君が私の物になりますように”」
「…誰がなるかっ!!」
しかし、数日後にはクレープを作ってあげるアレクセイと、
すっかりアレクセイの相手になったユーリが居たのでした。
短冊をぴらぴら見せるユーリにアレクセイは眉を潜めた。
二人暮らしを初めて早数カ月
「特に考えてないな」
アレクセイを監視していて
以前の、善意ある彼になっていた。
帝都に居れば騎士団の管理もあり、監視を任されたのがユーリなのだ
「世界征服」
「ふざけんな」
ペンが私の頭を的中
「…冗談だ」
「あんたのは冗談に聞こえねっつの」
ペンを拾い、ふむ と呟いた。
「本当に、特にないのだが…」
「書かなきゃ今日の夕飯はケーキにするぜ」
「…それは困ったな」
アレクセイは椅子に座り、足を組んだ。
「小せえけど笹買って来たんだぜ」
それを倒れないように彼は固定していた。
「オレが小さい頃は、よく願い事書いたなぁ」
「例えば?」
「んー、甘い物沢山食べたい、とかな」
そう笑う彼に私は苦笑した。
「将来太るぞ」
「うるせぇ」
「願い事、か……」
唸る私にユーリは苦笑した。
「ま、そこまで真剣じゃなくても良いんだぜ」
「せっかくなのだ、何か書きたいものだが
というか、これは何個も書いて良いのか?」
「いや、ダメだと思うぜ」
そうか、と アレクセイは再び唸った。
「ちょっと買い物行ってくる
それまでに書き上げてろよ~?」
「努力しよう」
願い事に努力を込められても、とユーリは真剣な彼に肩を竦めた。
「ただいまーっ」
「おかえり」
「どうだ、なんか書けたか?」
ああ、とアレクセイは頷いた。
「じゃ、飾ったらお互いに言おうぜ」
ユーリとアレクセイはそれぞれ短冊を笹に飾った。
「オレは“アレクセイがクレープを作ってくれますように”って書いたぜ」
「太るぞ」
「だからうるせっての」
次はアレクセイだぜ、とユーリは促した。
「“ローウェル君が私の物になりますように”」
「…誰がなるかっ!!」
しかし、数日後にはクレープを作ってあげるアレクセイと、
すっかりアレクセイの相手になったユーリが居たのでした。
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ローウェル君は良くて
私は受け入れられない
(悲観的過ぎるのだろうか…)
はぁ、と溜息を吐けば虚しさが募るばかり
『せぇねーん!』
『何だよおっさん』
『んーん?呼んでみたかっただけよー』
たわいのない会話ではあるが、私にとっては羨ましかった。
(……レイヴンは)
和気あいあいなこのメンバー
羨ましい仲間だ
それでも
私は表だけの存在
(…私が割り込んでしまったばかりに)
当然だ、皆 私が嫌いだ
だから必要以外話さない
仕方がない
全て私が原因だ
私はシュヴァーンを愛していた
過去形に過ぎないが
二度も彼を殺した
よかれと思ってしたことを彼は絶望し、
彼を道具扱いして用済みならば生き埋め
本来の彼は、私をどう思っているのだろうか
恨んでいるに決まっているだろう
(…彼は、同一人物でもシュヴァーンではない)
私の愛した人は、私が殺した
今はもう私の知る人ではない
かつて愛した人は
既に他の相手が居た
(…馬鹿馬鹿しい)
特に、私が
『シュヴァーン』
『レイヴン、よ 大将』
『…私は今でも愛している
例えそれが間違っていようと』
『大将、分かってると思うけど…俺もう』
『それでもだ、愛している』
「そこの貴方
私の依頼を受けて頂けませんか?
報酬は差し上げましょう
とても簡単な依頼です
その内容はこの剣をここに貫通させるだけ
どうですか、とても良い話でしょう?」
金銭の入った袋と、鋭く程々な長さの剣を手渡した。
剣を構えられ、私はそれに目を細めて見た。
次の瞬間、私は紅い飛沫を見た。
それは何よりも綺麗で、ホッとした。
数分後、私は二度と色の付いた景色を見る事はなかった。
私は受け入れられない
(悲観的過ぎるのだろうか…)
はぁ、と溜息を吐けば虚しさが募るばかり
『せぇねーん!』
『何だよおっさん』
『んーん?呼んでみたかっただけよー』
たわいのない会話ではあるが、私にとっては羨ましかった。
(……レイヴンは)
和気あいあいなこのメンバー
羨ましい仲間だ
それでも
私は表だけの存在
(…私が割り込んでしまったばかりに)
当然だ、皆 私が嫌いだ
だから必要以外話さない
仕方がない
全て私が原因だ
私はシュヴァーンを愛していた
過去形に過ぎないが
二度も彼を殺した
よかれと思ってしたことを彼は絶望し、
彼を道具扱いして用済みならば生き埋め
本来の彼は、私をどう思っているのだろうか
恨んでいるに決まっているだろう
(…彼は、同一人物でもシュヴァーンではない)
私の愛した人は、私が殺した
今はもう私の知る人ではない
かつて愛した人は
既に他の相手が居た
(…馬鹿馬鹿しい)
特に、私が
『シュヴァーン』
『レイヴン、よ 大将』
『…私は今でも愛している
例えそれが間違っていようと』
『大将、分かってると思うけど…俺もう』
『それでもだ、愛している』
「そこの貴方
私の依頼を受けて頂けませんか?
報酬は差し上げましょう
とても簡単な依頼です
その内容はこの剣をここに貫通させるだけ
どうですか、とても良い話でしょう?」
金銭の入った袋と、鋭く程々な長さの剣を手渡した。
剣を構えられ、私はそれに目を細めて見た。
次の瞬間、私は紅い飛沫を見た。
それは何よりも綺麗で、ホッとした。
数分後、私は二度と色の付いた景色を見る事はなかった。