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「ここに強力な魔物が居るんです
中々退治出来なくて…騎士も数少なくて…」
「それで?」
「退治をお願いしたいのです」
ユーリと共にアレクセイは黙り込んだ。
「……それが騎士団のやることかよ」
「待てローウェル、私は聞いたことがある」

そこの森を進むと遺跡のようなものがあるそうだ
その遺跡を入るには扉を開ける者が必要となる
左右に三人、計六人の守護者が必要なんだそうだ

「我々で済むかと思ったんですが、騎士の数も少なくて、協力もなくて…」
(フレンの言ってた通り、騎士団の連中が少ないのは事実だったのか)

「守護者に当たる人達が我々で丁度なんです
お願い出来ないでしょうか…」
しばらく置いた後に、ユーリが口を開き、発言しようとした時だった。
「分かった、やろう」
「お、おい アレクセイ!」

「私はこんな形でも騎士団を守りたい
小さな所でシーフォの手助けになれたら良いのだ」
そう言われ、その時は言い返せなかった。

(シーフォ、かよ…あいつの瞳にゃあオレは移ってねぇのかよ)
悪態つきながらも遺跡にたどり着き、中へと入った。


中は対して特に何もなく、進むだけ
「待てよアレクセイ」
構わず進むアレクセイにユーリはムッとなった。
「アレクセイ!!」
ガッと胸倉を掴み、壁に寄せた。
「な、何だっ…何だローウェルっ」
「あんたは…オ、オレの……」

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「大将~」
イラッ

「たーいしょっ」
イライラ

「アレクセイ様ー」
ピキッ


「さっきからうるせーよレイヴンは!!
レイヴンなのかシュヴァーンなのかはっきりしろよバカ!!」
「ちょ、バカって何よバカって!
俺がどう呼ぼうと勝手でしょ!?」
いがみ合うように二人は言い合う
「二人共、いい加減にしないか」

心の中で軽く悪口をついた。
何で急にレイヴンが、というのも彼は騎士団には居られなくなったのだ
勿論ギルドである幹部でもなくなったのだ
話し合った結果、凛々の明星に入る事になったのである

そこまでは仕方ないかとは思ったが、何だか腹立たしい
アレクセイも騎士団からの追放は当然のこと、
帝国からは凛々の明星に監視を任せ、ひとまず様子見するとのことだ

「ちょっと三人共、忙しいんだから遊ばないでよっ」
カロルが眉を潜め、溜息をついた。
「ここに居る以上はちゃんと働いてもらうよ レイヴン!」
俺だけ!?とレイヴンは自ら指を差した。
カロルと共に来たジュディスは微笑んだ。

「ユーリ中心にこれは頼むね」
カロルは無理矢理にユーリにまとめてある紙の束を押し付けた。
「じゃ、サボらないでね!」
「あ、ちょっと少年っ!力強っ、待っ」
「行きましょ、おじさま」
三人はまた別の用件で行ってしまったようだ


「どんな内容なのだ?」
ずいっ、と覗いてきたアレクセイについ、驚いてしまった。
「ば、これは容易に見せられるもんじゃねって!
大体、あんたのこと まだ信じた訳じゃ、ねぇ…」
乱暴に紙を仕舞えばアレクセイはそうか、と再び椅子に座った。
「そうだな、失礼なことをしたな」
苦笑し、後頭部を掻いた。

「最初は魔物退治って話だ、しかも騎士団から」
(アレクセイが関わってるの知ってやってんのか…?)
首を捻りつつ二人は宿を出た。



「…で、依頼として来たんだけぶへぁ!」
「アレクセイ様!!」
「アレクセイ様だっ!!」
ユーリを突き飛ばし、フードを被っているアレクセイに騎士の者は取り囲んだ。
「ま、待て…あまり大きい声を出すな…!」
ユーリを心配し、アレクセイはユーリに手を差し出した。
しかしそれを払い、ユーリは立ち上がった。
「大丈夫か、ローウェル」
「…良いって、それより 魔物退治って?」
そうだ、と騎士達は言い合い、地図で森を示した。

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いつだったかなんていうのは覚えていない
気付いた時には好きだった

(オレが…アレクセイを好きになるなんて…
そんな訳ねぇだろ……勘違いに決まってる…)
しかしそう否定しても、やはり視線を当ててしまうのが事実だ

(同室とかタチ悪いし、な……)
ギルドの仕事として、次の目的地に行くには大変キツイのだ

マンタイクもそれぞれ発展を遂げて、同室
散歩に行ったアレクセイを探しに行こうか
窓から暇そうに覗いている、とアレクセイが泉の方に居るのが見える

(居たっ…!)
窓から伝って飛び降り、アレクセイの元へと向かう

「よ、アレクセイ」
手を軽く挙げ、近寄る
「ここで何してんだ?」
「…特にはないのだが…暑いから居るだけだ」
微笑むアレクセイに高ぶる気持ちを抑えた。
「…そうだ 買い物に付き合ってくんねぇか?」
「構わん」

買い出しというのはアレクセイと居られる理由になる
そんなこんなで昼を迎えた。


「…なぁ、ちょっと聞いて良いか?」
注文をし終えてユーリは切り出した。
「あんた、恋人とか作ったことねーの?」
水の入ったグラスをアレクセイは静かに置いた。
「無いな、対して興味が無かった
というよりは忙しくて相手に出来なかっただろう」
氷をカラカラ鳴らし、止まった。

「私は、少しでも平和に行ければ良かった
…だが、私のしていたことはただの自分勝手な行動だった」
「―――――オレはあんたのしたことは許せない
だけど、あんたのしたこと全ては否定出来ない」
ユーリはぐいっと一気に水を飲み干した。
「少なくともあんたは帝国には命賭けてた
それは誰よりも一番、平和を願ってた」
フードを被ったアレクセイの顔は読み取りづらかった。

ユーリはアレクセイの手を取った。
「あんたは、一人だったんだよな?
周りが居ても、皆自分と何か違うって思ってたんだろ?
自分の地位の事もあって、相談せずに悩んだんだよな?」
「私は……そうだ、ローウェル君の言う通りだよ」
俯くアレクセイに、ユーリは手を強く握ってやった。
「分かったんだ…あの時、全てが…」


魔核が災厄を生んでしまったこと
世界の為にはならなかった自分の仕出かした行為


注文していたスパゲッティの二人分が運ばれた。
ユーリはフォークをアレクセイに差し出した。
「食おうぜ」
ユーリは微笑み、アレクセイは小さく頷いた。

「でも、ま 結果論としてはやっぱ良くねぇよ」
「分かっている…分かっぶぁっ」
頭を軽く叩かれ、危うくスパゲッティに顔面突っ込むところだった。
「な、何を…ッ!!?」
「せーねーん、そろそろ席交代してくんない?」
アレクセイの頭を押したのはユーリではなくレイヴンだった。

「ちょっと大将と話したくって、探したのよ~?」
ユーリは心の内で舌打ちをした。
(嘘つけ、途中から後追ってたクセして…)
「ユーリっ、時間ちょうだいっ」
目の前で頼む仕種をされ、ユーリは溜息をついた。
「わーったよ、じゃあな」
適当に金を置いておき、ユーリは店から出て行った。




(…アレクセイ……)

昔の、本来のアレクセイはレイヴンが90%程知っている
それがまたカンに障るのだ

(…アレクセイはまだ迷ってる……
本当に自分が生きていて良いのか
本当に今の自分に笑顔を生み出せるのか…)


生きて悪い人間なんて居ないはずなのだ
例えそれが大罪人であろうが、死んで良い事にはならない

簡単なことなのだが、アレクセイは踏み出せないのだろう
あまりに重大な罪を犯してしまったばかりに

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