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「うわぁ、すごい…!こんな風景、ヘルサレムズ・ロットにもあったんですね!!」
「この辺りはそこまで事件のある場所じゃないし、立地もいいから一部で人気のある街なんだよ」
さて、とスティーブンさんはメニューを開きながら食べる物を選んでいく
僕も続いてメニューを開いた途端、その値段に思わずメニューを勢いよく閉じた。
「や、やっぱり…高過ぎません…!?こんなの……」
「奢るって言ったろう?少年は気にするところじゃないよ」
どうにも引けない雰囲気だ、とりあえず素直に頂かないといけなくなってしまった。


口元をナプキンで拭き、どうかな?とにこやかにスティーブンさんはこちらに微笑んできた。
「そりゃあ…文句一つないですよ……」
完食しておいて何なのだが、まだこのレストランに慣れていなかった。
軽く笑われたが、一人暮らしをしているとどうしてもそうなる。
僕のように外食の多い連中はハンバーガーなどをパクついて満足するのだ
「仕方ない、出るとするかね」

車に乗り込み、ようやく気が抜ける状態になって大きく息を吐いた。
「苦手だったか?」
「絶景でしたし美味しかったんですけど、正直に言えば…少しだけ」
「そうか、悪かったな」
申し訳なさそうにスティーブンさんは言った、俺は慌てて手で否定した。
「あ、いや、でも!スティーブンさんにごちそうして貰って嬉しかったですよ!緊張してたから…それで……」

「ありがとう、レオナルド」
寂しそうに、見えた。

僕はスティーブンさんに向かって頭を下げた。
「すみません……!」
生意気だったと思った、でもどうしたらいいか分からなかった。
俯きながら迷っていると、上から笑う声がして思わず顔を上げた。
そこには笑顔のスティーブンさんが、それからまた髪をわしゃっとされた。
困惑した表情で彼の顔を見たままでいると、いきなり唇を奪われた。
「…ス、ティ……さッ、んんっ」
熱く、深いもので、それはすぐに解かれることはなかった。
逃げ場もなくされるがままで、僕はすぐに抵抗をやめた。

とても、長かったような気がする。
呆然としていると、徐々に意識を取り戻していった。
透明な糸の途切れる感覚がし、そこで僕は真っ赤になった。
「は、え、…わぁあああ!?!!?」
「あっはっは、次は少年に美味しい店でも教えてもらうかな」
頭を撫でられてから彼は車のハンドルを握り、満足そうに車を運転し始めた。

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僕はレオナルド・ウォッチ、秘密結社ライブラという組織に所属してからしばらく経っていた。
軽くこなせる任務を僕は任されていた、神々の義眼を持つとはいえ一般人に変わりはないという理由からだ
とはいっても、僕に適した任務にだって優しいのから難しいものまで当然ある。

「少年」
突如呼ばれて僕は慌てて起き上がった、どちらかと言えば飛び上がったという方が正しいか
どうやら少し前に終えた任務から帰って来ていた後、ソファーで寝転がった上に寝てしまっていたらしい
「は、はいぃ!!?」
勢いソファーから崩れ落ちてテーブルに体ごとぶつかった、非常に痛い
「〜〜〜ッ!!す、みま…せん……何ですかッ…!?」
痛みに耐えながらも僕は取り繕う、声を掛けてくれた相手はスティーブン・A・スターフェイズさんだ
大丈夫か?と苦笑しながらも体勢を直す手伝いをしてくれた、何度も謝りながらソファーに座り直した。
「この始末書のまとめ、してくれて助かった。本当はザップが!…やるべきものだったんだが、奴は今別の任務についててな」
「つまり尻拭いですよね……」
まあそう言うなよ、とわしゃわしゃ髪を荒らされた。
それでも何かすることも特別なかったから別に構いやしないのだが
「ところで少し」
スティーブンさんが喋り掛けてきたところで僕の腹が盛大に鳴った。
「……すみません…」
「ちょうど良い、食べに行くぞ」
「え?それってどういう……」
スティーブンさんが振り返り、少し微笑みながらこう言った。
「前々から君を飯に誘おうと思ってたんだよ」
「ひょっとしちゃって…奢りですか?」
頷くのを確認したところで僕はすっ飛んだ、スティーブンさんとは食べに行った事が無かったからだ。

彼の車に乗って数十分した所の高級レストランに来た。
「……ここは」
「シャレてるよな、入るぞ」
「わわわ、こんな品の高いトコに入れませんって!」
だからだよ、と流し目で答えられてそのまま行ってしまった。
今更引き返せるはずもなく、渋々とスティーブンさんに着いていった。
中に通され、引かれた椅子に着席してから辺りをそっと見回した。
静かだが穏やかな音楽が流れ、夜を迎え始めている風景に思わず息が漏れた。
相変わらずの濃霧だというのにとても綺麗で、こんな所もあったのかと驚いた。
「どうだ?」
にっこりと笑うスティーブンさん、これに満足しないという方が無理だ

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