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「イチゴチョコ生クリームクレープ、で…」
あいよー、と応答するおじさんと何故か恥ずかしがるアレクセイ
「……何で顔赤いんだ?」
不思議になって聞けば小さな声でこう言った。
「だだだ、だって…あ、あんな可愛らしい物を…中年が選ぶなんて…」
恥ずかしがるアレクセイに唖然とした。

「……別に選んだって良いんだよ…」
「し、しかし…あんな可愛らしい感じの…」
「装飾のためだから気にしなくて良いんだよ」

まだ落ち着かないアレクセイをよそに、クレープが完成したようだ。
「あそこで食べるか」
噴水広場に出て、階段の隅に座った。

「いただきまーす」
大口を開けて一口食べればクリームの味、続いてバナナとチョコが口に入る。
「んーっ、うっめぇ!…あれ、食わねぇのか?」
「い、いや…食べるっ」
一口目でがっつき、クリームが溢れ出る。

「アレクセイ、サンタみてぇだ」
首を傾げ、水面を覗けば髭のようなクリームが
「何か拭くものは……って、何をッ」
「あ?勿体ねぇだろ、だから舐めたんだ」
顔を赤くし、ぶつくさ言うアレクセイを横目にオレは再びクレープを味わった。

「なぁ、美味しいか?」
静かに味わうアレクセイに尋ねる。
「……あぁ、美味しい」
笑うアレクセイにオレはホッとした。
よしっ、と オレは立ち上がった。

「充電完了!」
そう言うと、不思議そうにこちらを見る。
「…どうした?」
アレクセイはオレの手を掴んだ。
力を込めれば彼は立ち上がった。


「ローウェル、お前は…私が笑った後、いつも呆けるな」
振り返ればアレクセイが佇んでいた。
「そうか?」
歩みを止め、アレクセイに近寄る。
相手は頷き、オレの答えを待つ

「オレ、笑顔が好きなんだよ」
口を小さく開けるアレクセイにオレは笑った。
「ずっと堅い表情してたからさ…」
「そんなことは…」
それに、と オレは微笑んだ。

「アンタの笑う顔、もっと見たいし…
もっとアンタを知りたいからさ」
ぐいっと引き寄せ、驚いた顔がすぐ側に



「……イチゴの味がした…」

そう言うとアレクセイが顔を赤くして早足でオレから離れた。

「おい、待てって…!」








「ありがとう、今日は楽しかった…ま、また誘ってくれ」





アレクセイはそう言って、オレの部屋へと入って行った。


「良いもん見れたかな」


どことなく満たされた気持ちでオレもまた、部屋に入って行った。

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オレとあいつが知り合ってから二年程経った。

以前は立場は違えど、同じ騎士団に所属していた。
当時のオレは何かと貴族って括りだけで苦手だった。
だからあいつには興味はなかったし、関わりもなかった。


なのに、いつの間にかオレはあいつを好きで居て
あいつが以前、どうしていようが笑顔にさせたかった。

そりゃあいつはたくさん悪い事をした。
あいつだって分かっている。

だからこそ、オレがパートナーとして居る意味がある。



「ローウェル、終わったぞ」
凛々の明星のデータのまとめ役として彼は今活躍している。
「了解、悪いな」
まとまったデータを移動させる。
「これくらい、どうってことはない」


流石、リタが驚くだけある。
今まで本棚なんか驚く程にすっからかんだったのが、
同棲し始めてからはアレクセイ専用本棚化している。
リタとも連絡を取り、精霊について話し込んだり

ああ、共通する会話が出来るリタが羨ましい
本を開いたって文章はすっ飛ばしに絵を見たりするだけ
全く持って話に乗れないのは明白であるのだ


本当に、騎士団長って仕事はこれ以上忙しかったのだろうか
イメージ的には書類がどっさりあって
判子をしつこいくらいに押して
万年筆とかで文字を滅茶苦茶書いたりとか…
たまには顔を出して修行だってするだろうし
下の者を相手にだってするだろう


騎士団長を辞めた以降、やはり体力的にも落ちたらしい
とはいっても、まだ若そうに剣を振る辺り現役か

「今日は時間あるし、どこか食べ行くか?」
本当か、と嬉しそうな表情でオレを振り返る。

「今日下町でちょっとした祭りがあんだよ
もうそろそろ始まってる頃だと思うぜ」
「祭り…、私が行って…良いのか?」
不安そうに言うアレクセイをオレは苦笑した。
「大丈夫だって、心配すんな」

下町の連中だって、分かってくれているはず


以前に比べ、多少裕福な家庭も増えた。
けれど、下町を愛し続けてくれている。
屋台は並び、どこからも声が響く

「何か食いてぇ物あるか?」
「…あのケーキっぽいのが」

ケーキ?と思って首を傾げればクレープのことだった。

「手持ちケーキ?」
「クレープ、な」

屋台へ向かい、一覧を指差す。
「おじさん、オレはチョコバナナ生クリームクレープで」
アレクセイは?と聞けば眉を潜めて唸るだけ
「な、何でも良いのか?」
頷けばアレクセイはじゃあ、と呟いた。

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