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『お前の命も、凛々の明星(ブレイブヴェスペリア)が預かった!覚悟しとけ』
と言われ、私はそれ以来こき使われていた。
そう言ったら彼らは怒るだろうか
命は預かった、とは言われても
騎士団としては否、何も所属していない
それを良い事にギルドに入れられてしまった。
私もつい衝動というか何と言うか、頷いてしまった訳だが
何もないよりはあった方が私らしいと思ったからであって
拠点がなく、相変わらず慌ただしい日々だ
「アレクセイ、管理お疲れさん」
テントを覗かれ、アレクセイは見いやった。
ユーリと同じテントである為、彼は私の手元を覗き込んで来た。
仕事を一つ一つ丁寧にこなす凛々の明星は順調に依頼が来ている。
その為、金銭やら魔物についての管理がかなりすさまじい事になっている。
管理を任されたのも罰だとか何だかで、それぐらいなら今までしてきた事より随分軽いものだった。
「あんたってホント、真面目なんだなって思うぜ」
「……真面目なんて、言われた事がない」
そうなのか?と意外そうな顔をされた。
「……私は、ただの大罪人だ」そう言うと彼は私を睨んだ。
「やめろっつってんだろ」
明らかに彼の声のトーンは下がっていた。
「…ローウェル君、私はまだ…そこまで強くない」
私は俯いた。
しかし急に彼は私の胸倉を掴んで押し倒した。
「俺は…!…あんたが歩いて欲しいから、こうやって…」
「……余計なお世話だと言ったら?」
彼の顔が更に険しくなる。
腕を上げたのが見えたが、アレクセイは微動だにしなかった。
「殴るなら殴りたまえ、私は元々死ぬはずの……」
言葉が遮られた。
「もう、喋んな……」
それは私が今、彼に抱き着かれていたからだ
彼の表情を見れば何とも言えない表情で
「……すまんな」
そっと髪を撫でてやればユーリの顔が見えた。
「…変な話をするが、私は…弱くなった」
自らの髪と対の色をした彼の髪を撫でてやる。
「シュヴァー……レイヴン、に助けてもらってから以降、私は分からなくなった
私は…生きていていいのか、ずっと問われているようで…怖いのだ…」
ユーリは黙って聞いていた。
「私は、帝国を良くして…平和には程遠いが、それが掛橋となるような…
なのに…私は……あいつが私を止めてくれたというのに…」
「アレクセイ」
ユーリは体をゆっくり起こした。
「今更後悔したってしょうがないって、分かるよな?」
「…あぁ、分かるとも」
アレクセイはふぅ、と息を吐いた。
「聞いてもらって悪かったな、ローウェル君
それより、……その、だ…降りてくれないか」
「やだ」
その返答にアレクセイは眉を潜めた。
「だ・か・ら、やーだ」
「……なぜ…?」
怪訝な表情をするアレクセイにユーリは笑っている。
「嫌なもんは、嫌だ」
頑固に張り付いて離れないユーリにアレクセイは苦笑した。
「仕方がないな」
俺は、あんたが変われるって
信じてるぜ
そう願って、ユーリは目をつむった。
と言われ、私はそれ以来こき使われていた。
そう言ったら彼らは怒るだろうか
命は預かった、とは言われても
騎士団としては否、何も所属していない
それを良い事にギルドに入れられてしまった。
私もつい衝動というか何と言うか、頷いてしまった訳だが
何もないよりはあった方が私らしいと思ったからであって
拠点がなく、相変わらず慌ただしい日々だ
「アレクセイ、管理お疲れさん」
テントを覗かれ、アレクセイは見いやった。
ユーリと同じテントである為、彼は私の手元を覗き込んで来た。
仕事を一つ一つ丁寧にこなす凛々の明星は順調に依頼が来ている。
その為、金銭やら魔物についての管理がかなりすさまじい事になっている。
管理を任されたのも罰だとか何だかで、それぐらいなら今までしてきた事より随分軽いものだった。
「あんたってホント、真面目なんだなって思うぜ」
「……真面目なんて、言われた事がない」
そうなのか?と意外そうな顔をされた。
「……私は、ただの大罪人だ」そう言うと彼は私を睨んだ。
「やめろっつってんだろ」
明らかに彼の声のトーンは下がっていた。
「…ローウェル君、私はまだ…そこまで強くない」
私は俯いた。
しかし急に彼は私の胸倉を掴んで押し倒した。
「俺は…!…あんたが歩いて欲しいから、こうやって…」
「……余計なお世話だと言ったら?」
彼の顔が更に険しくなる。
腕を上げたのが見えたが、アレクセイは微動だにしなかった。
「殴るなら殴りたまえ、私は元々死ぬはずの……」
言葉が遮られた。
「もう、喋んな……」
それは私が今、彼に抱き着かれていたからだ
彼の表情を見れば何とも言えない表情で
「……すまんな」
そっと髪を撫でてやればユーリの顔が見えた。
「…変な話をするが、私は…弱くなった」
自らの髪と対の色をした彼の髪を撫でてやる。
「シュヴァー……レイヴン、に助けてもらってから以降、私は分からなくなった
私は…生きていていいのか、ずっと問われているようで…怖いのだ…」
ユーリは黙って聞いていた。
「私は、帝国を良くして…平和には程遠いが、それが掛橋となるような…
なのに…私は……あいつが私を止めてくれたというのに…」
「アレクセイ」
ユーリは体をゆっくり起こした。
「今更後悔したってしょうがないって、分かるよな?」
「…あぁ、分かるとも」
アレクセイはふぅ、と息を吐いた。
「聞いてもらって悪かったな、ローウェル君
それより、……その、だ…降りてくれないか」
「やだ」
その返答にアレクセイは眉を潜めた。
「だ・か・ら、やーだ」
「……なぜ…?」
怪訝な表情をするアレクセイにユーリは笑っている。
「嫌なもんは、嫌だ」
頑固に張り付いて離れないユーリにアレクセイは苦笑した。
「仕方がないな」
俺は、あんたが変われるって
信じてるぜ
そう願って、ユーリは目をつむった。
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「片付けといてくれよ」
ガシャンッ!
皿が割れた。
「!」
ユーリは私を汚い物で見るような目つきで、出て行ってしまった。
彼はギルドの仕事へと向かったのだ。
「……」
私はただそれを無言で片付けていた。
散らばった皿の破片を、一つずつ拾って
以前、破片でブーツの履き心地が悪くなったと怒鳴られた。
「………」
拾っている最中に破片で怪我をしてしまった。
けど、それよりも皿の破片を何とかせねばならない
小さな怪我くらい、私にとっては何の造作もない
「…よし」
片付け終わったのはいいが、この怪我を治療せねばならない
軽く水で洗って、消毒して包帯をいくらか巻いた。
「………」
することがなくなった私はもう何度も読んだ本を開いた。
飽きてすることがないが、別に今はこれでもいい
レイヴンはギルドの方で頑張っているという話を聞いたり
イエガーはあの後救出されたと聞いてホッとして
デュークは相変わらずの反応だったのだが
皆、必死に頑張っている
私だけ楽をしてはならない
だからかもしれない
ユーリにされていることは嫌じゃない
ガタン
帰宅が早い
本を慌てて閉じた。
毎回夕飯を任されていて、遅れたらまた怒鳴られる
しかし予定の時間より遥かに早い
一切何も、用意をしていないのだ
「……」
ユーリが再び現れた。
ああ、怒鳴られる
ずかずかと私の前に歩いて来た。
もしかして殴られるのか
肩を竦め、目を閉じた。
早く、来るなら来てくれ
「アレクセイ」
それは、私の名前
そっと、抱きしめられた。
私は驚いて目を見開いた。
「な、ぜ…?」
ようやく出た言葉がこれだった。
「…オレは何もしないあんたに甘えてたんだ
あんだけのことをしたんだから何しても良いなんて…
そりゃ違うよな……あんたも、抵抗しろよ…」
「…私は……別に構わぬ されても仕方がない」
そう言ったらべちっ、と額を叩かれた。
「もうしねぇよ、あんた…親父みたいだな」
「お、おやっ…じ…!?」
急にあたふたし始めた私をユーリは笑った。
「今のあんた、イイ顔してるぜ」
ユーリは剣を持って行ってしまった。
「おや、じ…」
複雑な心境ながらも私は苦笑した。
ガシャンッ!
皿が割れた。
「!」
ユーリは私を汚い物で見るような目つきで、出て行ってしまった。
彼はギルドの仕事へと向かったのだ。
「……」
私はただそれを無言で片付けていた。
散らばった皿の破片を、一つずつ拾って
以前、破片でブーツの履き心地が悪くなったと怒鳴られた。
「………」
拾っている最中に破片で怪我をしてしまった。
けど、それよりも皿の破片を何とかせねばならない
小さな怪我くらい、私にとっては何の造作もない
「…よし」
片付け終わったのはいいが、この怪我を治療せねばならない
軽く水で洗って、消毒して包帯をいくらか巻いた。
「………」
することがなくなった私はもう何度も読んだ本を開いた。
飽きてすることがないが、別に今はこれでもいい
レイヴンはギルドの方で頑張っているという話を聞いたり
イエガーはあの後救出されたと聞いてホッとして
デュークは相変わらずの反応だったのだが
皆、必死に頑張っている
私だけ楽をしてはならない
だからかもしれない
ユーリにされていることは嫌じゃない
ガタン
帰宅が早い
本を慌てて閉じた。
毎回夕飯を任されていて、遅れたらまた怒鳴られる
しかし予定の時間より遥かに早い
一切何も、用意をしていないのだ
「……」
ユーリが再び現れた。
ああ、怒鳴られる
ずかずかと私の前に歩いて来た。
もしかして殴られるのか
肩を竦め、目を閉じた。
早く、来るなら来てくれ
「アレクセイ」
それは、私の名前
そっと、抱きしめられた。
私は驚いて目を見開いた。
「な、ぜ…?」
ようやく出た言葉がこれだった。
「…オレは何もしないあんたに甘えてたんだ
あんだけのことをしたんだから何しても良いなんて…
そりゃ違うよな……あんたも、抵抗しろよ…」
「…私は……別に構わぬ されても仕方がない」
そう言ったらべちっ、と額を叩かれた。
「もうしねぇよ、あんた…親父みたいだな」
「お、おやっ…じ…!?」
急にあたふたし始めた私をユーリは笑った。
「今のあんた、イイ顔してるぜ」
ユーリは剣を持って行ってしまった。
「おや、じ…」
複雑な心境ながらも私は苦笑した。