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怒られる、慌ててシャワーを浴びて出て来た。
得る物は得た、抜け出すなら今しかない
車も用意していない状態だ、それはやむを得なかった。

靴の音が前からした、気配を感じる前に音で意思表示された。
お前は誰だ、目を凝らしそれを細い目で見ると

「遅いですよ」
蒼が、こちらを見ていた。
後頭部を掻き、参ったなぁと呟く
少年、レオナルド・ウォッチは足早に近付いて来た。
「汚い物がたくさん見えます」
「はい…ごめんね」
その瞳は綺麗だって言うのに、言動にトゲがある。
でも言い訳は出来ない、謝るしかない

「貴方は俺のものだ」

そう少年は言って踵を返した。
いつも、こうだ
彼は俺をこうして追いかけて来る。
どうすることも出来ないから、それを見ているだけの俺
「何してるんですか、見つかっちゃいますよ」
糸目の少年が振り返って不思議そうにしていた。

おかしいな、俺の方が彼よりも長く生きているし世界を知っている。
それなのに、俺が支配されているような気がしてならない

「……なぁレオ!」
いつの間にか肩にはソニックが居た、空気を読む猿だこと
なんですか?と彼は首を傾げた。
「…今夜、いいかな」
「何を言っているかさっぱり分かりませんけど」
「だから……そのー…」
ソニックと視線が合う、喋らずとも理解出来ているからやりづらい
「…なーんて!あ、明日は休んだ方がいいですよ。ちょっと手を抜く訳にもいかないんで」
「あー……怒ってる?」
どうでしょうね?と微笑まれながら彼は歩いて行く

ああ、俺はいつになったら彼を怒らせずに行為へと導けるのだろうか
息を吐いて、彼の後を追った。

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いつになく真面目な顔に俺も吃驚した。
小さい影が光を遮り、蒼い綺麗な瞳がこちらを覗いている。
神々の義眼、その双眸はいつ見ても細かく見惚れてしまうくらいだ
彼にとって不運な出来事だっただろうが、逆に俺はそれで良かったと思っている。

なぜなら─────。

「レオっ…う、ぐぅッ」
眼から記憶を辿られ、俺は脳が熱くなるのを感じた。
手首を掴まれて彼の呼吸を聞き、もう片方の手で襟をぐっと開かれた。
「……せめて消して下さいよ」
蒼が、消えてそれは閉じられていた。
「…悪かったって」

情報を得る為に女を抱く事は時たまあることだ
それは俺だけに限らないし、こういう組織だからこそあることだ
少年は飛び入り参加のような形で入って来たが、それなりには強い肝を持つ
だからこそ複雑で受け入れ難い事もあったのだろう、そこが若さだ

「はは…何か見えた?」
「……見た目は生粋の人間っぽいですね」
「だろうなー」
彼は無言で糸目のまま俺を見たが、近くにあった携帯でタップし始めた。
「…あれ、嫉妬しないのか?」
「してほしいんですか?」
表情は変わらない、怒っているかどうかも何だか分からない

「ぜんっぜん!怒ってないですよ、思うところが無いわけじゃないですけど」
やっぱり怒ってるんじゃないか……
「ほら、その……ごめんよ」
言い訳をしたところで無駄だ、その辺りは何もかもお見通しだ
ふん、と腕を組んでやや不機嫌な彼に向けて頭を垂れた。
「顔、上げてくださいって」
恐る恐る上げると、再び神々の義眼が俺を映した。
「少年…あまり使うと熱を持つぞ?」
「────本番はしなかったんですね」
「…あ、え?」
突然の問いに拍子抜けした、話が振り出しに戻ったようだ
本番、俺は見透かされるそれらにやはり下手な事は出来ないと思った。

「今回はライブラには関係ない繋がりですよね、言いたくない事とかあるとは思います。
詮索はしないです、けど…そう一筋縄ではいかないこともありますよね?」
「えーっと…つまり?」
あ、ニヤけた。
「代償を請求します」
携帯をちらりと見せてきたこれはなんだ、しかもこの変態要素の詰まったアプリは何なんだ
恋人との今日のオススメプレイ…?……拘束!?なんだこれ!!
「それに、今日は僕の機嫌がとてもイイのでもう一つ追加特典しちゃいましょうか!」
「少年怒ってるね!?怒ってるよな!?なに追加特典って!ゲーム感覚で言うの良くないぞ!」
「え、逆らっちゃう感じですか?」
いつもの様子なのに見えないオーラはドス黒い、やはりかなり怒っているようだった。

「あまり私事でこの能力使いたくないので、大人しく…大人らしく従って下さいね」
片目で蒼がちらりと俺を見た、もう、少年はこうなると何を言っても聞き入れてくれない

(でも、おかしいなぁ…俺は男、彼も男なのに惹かれるなんて)

「首筋のこれ、どう支払います?」
ダメだ、考える前に少年が要求してくる。
ハンカチで拭うが、取れたのは紅だけで跡はさすがに無理だ
あの女の吸引力強過ぎだろ、なんか微妙にヒリヒリしてるしすぐには治らない気がする。
「…少年の好きにしてくれて構わないよ」

彼は私事で神々の義眼を使うことはしたくない、そうさっきも言ったし過去にも聞いた。
だが、俺がライブラだろうが他の組織だろうがそんなことは抜きにしても誰かを抱くこととなると話が違う
これは信頼性の話で不安要素は取り除かねばならない、だから彼は神々の義眼で俺を見る。
推測するに、それは彼なりの言い訳だが本当は私用として使っていることだと気付いているのだろう
でも、それを俺は私用ではないと言ってからこの神々の義眼で見てもらうようになった。
結局お互い見て見ぬフリをしている訳だ、それでもこうしてしまうのはきっと

「どうも、少年には弱くなっちゃうね」
彼は細い紐を手にして俺に近付いた。
「そりゃどーも、さて、大人しく縛られて下さい」
微笑み、俺はこれから始まる夜に胸を躍らせた。
紐が手首を絞め、その感覚に思わず口角を上げた。

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「うわぁ、すごい…!こんな風景、ヘルサレムズ・ロットにもあったんですね!!」
「この辺りはそこまで事件のある場所じゃないし、立地もいいから一部で人気のある街なんだよ」
さて、とスティーブンさんはメニューを開きながら食べる物を選んでいく
僕も続いてメニューを開いた途端、その値段に思わずメニューを勢いよく閉じた。
「や、やっぱり…高過ぎません…!?こんなの……」
「奢るって言ったろう?少年は気にするところじゃないよ」
どうにも引けない雰囲気だ、とりあえず素直に頂かないといけなくなってしまった。


口元をナプキンで拭き、どうかな?とにこやかにスティーブンさんはこちらに微笑んできた。
「そりゃあ…文句一つないですよ……」
完食しておいて何なのだが、まだこのレストランに慣れていなかった。
軽く笑われたが、一人暮らしをしているとどうしてもそうなる。
僕のように外食の多い連中はハンバーガーなどをパクついて満足するのだ
「仕方ない、出るとするかね」

車に乗り込み、ようやく気が抜ける状態になって大きく息を吐いた。
「苦手だったか?」
「絶景でしたし美味しかったんですけど、正直に言えば…少しだけ」
「そうか、悪かったな」
申し訳なさそうにスティーブンさんは言った、俺は慌てて手で否定した。
「あ、いや、でも!スティーブンさんにごちそうして貰って嬉しかったですよ!緊張してたから…それで……」

「ありがとう、レオナルド」
寂しそうに、見えた。

僕はスティーブンさんに向かって頭を下げた。
「すみません……!」
生意気だったと思った、でもどうしたらいいか分からなかった。
俯きながら迷っていると、上から笑う声がして思わず顔を上げた。
そこには笑顔のスティーブンさんが、それからまた髪をわしゃっとされた。
困惑した表情で彼の顔を見たままでいると、いきなり唇を奪われた。
「…ス、ティ……さッ、んんっ」
熱く、深いもので、それはすぐに解かれることはなかった。
逃げ場もなくされるがままで、僕はすぐに抵抗をやめた。

とても、長かったような気がする。
呆然としていると、徐々に意識を取り戻していった。
透明な糸の途切れる感覚がし、そこで僕は真っ赤になった。
「は、え、…わぁあああ!?!!?」
「あっはっは、次は少年に美味しい店でも教えてもらうかな」
頭を撫でられてから彼は車のハンドルを握り、満足そうに車を運転し始めた。

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