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数週間前から近所の祭に徐庶を誘っていた姜維はそわそわしていた。
今は待ち合わせ場所で待っているところだ
「やあ、遅れてしまったかな」
浴衣姿で現れた意中の人に内心驚きながらも半分嬉しさで埋まる。
「いいえ、問題ありません ところで徐庶殿も浴衣なんですね」
「その…似合うだろうか……あまり、着たことがなくて」
自信なさ気に眉は潜められたが、私はそれに首を左右に振って否定した。
浴衣姿を見られたというだけでも嬉しい
「何か、食べる物でも買いましょうか まだそんなに混んでいませんし」
そうしようと彼は答え、ゆっくりと歩き始めた。

そこそこな盛り上がりを見せている屋台広場
やはり良い雰囲気になりやすいのか、よくカップルと遭遇する。
「…………男二人って、どうなんだろうね」
苦笑しながら屋台を見て回っている時に彼はそう言った。
「私は、徐庶殿といられて、嬉しいのですが」
控え目にそう伝えると、その言葉が聞こえたみたいで彼は顔を逸らした。
自分自身でもよく分かっている、私は彼を
「と…ところで、唐揚げや焼きそばなどがありますね 買いましょうか?」
「ああ、そうだな 飲み物も買って行こうか」
屋台を歩き回り、花火の打ち上げにも間に合うように場所も取った。

「ここは眺めが良さそうだ」
「あまり人も少なくて良いと思います」
近くにレジャーシートを引き、荷物を置いた。
打ち上げまでには少々時間がある、唐揚げなどを口に含みつつその時を待った。

共にいられる喜び、それを私はとても感じていた。
つい、ちらりと横にいる人をずっと見てしまう

置かれていた手に手を重ねてみる。
それに気付いた彼は首を傾げて来た。
厚みのある温かさ感じる彼の手

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再び先程のことを思い出した私を察したのか、彼は私の頬に手を添えた。
「徐庶殿?」
頭巾で影が多く彼の表情が読み取りにくかったが、一つ分かったことは思った以上に至近距離だったということだ
「油断していたことはすまないと思っているよ、だけど俺にも我慢出来ないことが…あるんだよ」
頬に付いていた、誰のかも分からない血を彼は遠慮なく舐めて来た。
元々身を潜める為にお互い近寄っていたが、段々とそれは違う形となっていく
岩石を背中で感じた私は迫り、血を舐め上げて来る彼を押し退けようと試みた。
「徐庶っ殿…!そんな汚い血、貴方に……舐めさせるなど…!」
抵抗したが彼はやめるつもりなどなく、手首を取られ尚更難しくなった。

「……お願いだよ姜維殿、黙ってくれないと君を殺してしまいそうだ」
静かに放たれたその言葉に私は素直に諦めた。
殺されることに恐れたのではない、むしろ彼に殺されるのなら本望だ
いや、そこではなく殺されてしまったら誰が彼を守るのか
私しかいないはずだ、彼はそれを分かっていて言ってくる。
「全く…貴方は卑怯なお方だ」
「ふ、褒め言葉として受け取っておくよ」

数分に渡って舐められ、彼は清々しい笑顔を向けた。
「君に付いていた血、取り除かせてもらったよ」
私は迷わず感謝の言葉を述べ、立ち上がろうとした。
しかし相変わらず掴まれている手首に首を傾げた。
「私は逃げませんが…まだ何か…」
「君こそ、卑怯だよ……俺が夢中になるってことを知っててそういう顔をするんだね」
問う前に口づけされ、思わず目を見開いた。
だがそれに乗らないほど愚かではない、私もそれに便乗した。


双方夢中になっており、その唾液はどちらのものか検討がつかない
愛しい相手を貪るように求め、それはきっと終わることを知らないのだろう
指を絡め、ゆっくり手の平を合わせて欲の沼へと沈んで行った。

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