忍者ブログ
New
(10/18)
(10/18)
(10/18)
Search
[ 307 ] [ 306 ] [ 305 ] [ 304 ] [ 490 ] [ 300 ] [ 299 ] [ 298 ] [ 297 ] [ 302 ] [ 301 ]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

再び先程のことを思い出した私を察したのか、彼は私の頬に手を添えた。
「徐庶殿?」
頭巾で影が多く彼の表情が読み取りにくかったが、一つ分かったことは思った以上に至近距離だったということだ
「油断していたことはすまないと思っているよ、だけど俺にも我慢出来ないことが…あるんだよ」
頬に付いていた、誰のかも分からない血を彼は遠慮なく舐めて来た。
元々身を潜める為にお互い近寄っていたが、段々とそれは違う形となっていく
岩石を背中で感じた私は迫り、血を舐め上げて来る彼を押し退けようと試みた。
「徐庶っ殿…!そんな汚い血、貴方に……舐めさせるなど…!」
抵抗したが彼はやめるつもりなどなく、手首を取られ尚更難しくなった。

「……お願いだよ姜維殿、黙ってくれないと君を殺してしまいそうだ」
静かに放たれたその言葉に私は素直に諦めた。
殺されることに恐れたのではない、むしろ彼に殺されるのなら本望だ
いや、そこではなく殺されてしまったら誰が彼を守るのか
私しかいないはずだ、彼はそれを分かっていて言ってくる。
「全く…貴方は卑怯なお方だ」
「ふ、褒め言葉として受け取っておくよ」

数分に渡って舐められ、彼は清々しい笑顔を向けた。
「君に付いていた血、取り除かせてもらったよ」
私は迷わず感謝の言葉を述べ、立ち上がろうとした。
しかし相変わらず掴まれている手首に首を傾げた。
「私は逃げませんが…まだ何か…」
「君こそ、卑怯だよ……俺が夢中になるってことを知っててそういう顔をするんだね」
問う前に口づけされ、思わず目を見開いた。
だがそれに乗らないほど愚かではない、私もそれに便乗した。


双方夢中になっており、その唾液はどちらのものか検討がつかない
愛しい相手を貪るように求め、それはきっと終わることを知らないのだろう
指を絡め、ゆっくり手の平を合わせて欲の沼へと沈んで行った。

拍手[0回]

PR
Comment
Name
Title
Font Color
Mail
URL
Comment
Password
<< 姜庶  HOME   相死相哀 >>

Copyright © Labyrinth All Rights Reserved.
Powered by Ninjya Blog 
忍者ブログ [PR]