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『いつも助かっている、私の可愛い道具』


最後の一言が余計だ

俺は、情を棄てていた




『何すっ……!!』

『私に刃向かうか?』


いつからだったかな

貴方が変わったのは

代わった、かもしれない


『厄介だ、消してこい』

『しかし……』

『何だね』

『…いえ……』


立場が許さなかった

それだけじゃない


『道具にしてはよくやったな』

『………』


本当に変わったのは


『おかしい話だ』

『………』


貴方だ


代わった貴方は

笑う、怒る


そして

偽りの表情


けれども

代わった時の表情と

前の表情が凄く似ていて


絶望した



唯一、

代わった貴方の表情で

一つだけ見ていないものがある


それは

悲しむ、ということ


哀れみとは違う



代わる前は

きちんと悲しんでいた




『お前も弱い道具だ』

『…はい』
『死にたいならば勝手に死ぬが良い』

『………』


この人は私を実験台と言った

この魔導器を試してみたかったと


『なぜ、私にしたのですか…』

『どうでもよかろう、さっさと失せろ』




昔の貴方が好きでした

強くて、格好良くて

単純に凄いと思った


さようなら


俺と

貴方






けどね

俺やっぱりダメで

貴方を助け出したの



「あんただけは楽して死なせねぇのよ!!」


「あ…ああ………っ!」




代わって

頂けますよね?



俺と

一緒に

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「片付けといてくれよ」

ガシャンッ!
皿が割れた。

「!」


ユーリは私を汚い物で見るような目つきで、出て行ってしまった。
彼はギルドの仕事へと向かったのだ。

「……」

私はただそれを無言で片付けていた。
散らばった皿の破片を、一つずつ拾って
以前、破片でブーツの履き心地が悪くなったと怒鳴られた。

「………」

拾っている最中に破片で怪我をしてしまった。
けど、それよりも皿の破片を何とかせねばならない
小さな怪我くらい、私にとっては何の造作もない

「…よし」

片付け終わったのはいいが、この怪我を治療せねばならない
軽く水で洗って、消毒して包帯をいくらか巻いた。

「………」

することがなくなった私はもう何度も読んだ本を開いた。
飽きてすることがないが、別に今はこれでもいい

レイヴンはギルドの方で頑張っているという話を聞いたり
イエガーはあの後救出されたと聞いてホッとして
デュークは相変わらずの反応だったのだが

皆、必死に頑張っている
私だけ楽をしてはならない

だからかもしれない
ユーリにされていることは嫌じゃない


ガタン

帰宅が早い

本を慌てて閉じた。
毎回夕飯を任されていて、遅れたらまた怒鳴られる

しかし予定の時間より遥かに早い
一切何も、用意をしていないのだ


「……」

ユーリが再び現れた。
ああ、怒鳴られる

ずかずかと私の前に歩いて来た。
もしかして殴られるのか

肩を竦め、目を閉じた。
早く、来るなら来てくれ


「アレクセイ」
それは、私の名前

そっと、抱きしめられた。
私は驚いて目を見開いた。

「な、ぜ…?」
ようやく出た言葉がこれだった。


「…オレは何もしないあんたに甘えてたんだ
あんだけのことをしたんだから何しても良いなんて…
そりゃ違うよな……あんたも、抵抗しろよ…」
「…私は……別に構わぬ されても仕方がない」
そう言ったらべちっ、と額を叩かれた。

「もうしねぇよ、あんた…親父みたいだな」
「お、おやっ…じ…!?」
急にあたふたし始めた私をユーリは笑った。
「今のあんた、イイ顔してるぜ」
ユーリは剣を持って行ってしまった。
「おや、じ…」
複雑な心境ながらも私は苦笑した。

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ア「…は…っ、はああっ…」
デ「どうした」
ア「ふえっくしょん!」
デ「くしゃみか、どうせなら私にかけて良かったのだが」
ア「馬鹿言うな…少し寒いだけだ」
デ「風邪を甘く見るな、とりあえず私のマフラーを貸そう あぁ、あとこれも…これも良いか」
ア「むむむっ…凄く着込んでいるのだな…マフラー五個とかそんなにいらんだろう」
デ「寒そうだとよく言われるのだ、私は心が熱い男だというのに」
ア「…は、もっと寒くなってきた」
デ「何……」

パ「見るのじゃ!全面雪景色なのじゃ!」
ユ「そこに佇む一人の男、その名はユー…」
エ「邪魔ですユーリ」
ユ「ぐおっ、何すんだっ!…あ?雪か…?」
エ「雪合戦、です!さぁやりますよ!」
フ「ユーリ、覚悟するんだ!この一球は僕からの日頃の恨みだあぁ!!」
ユ「恨み!?恨みぃい!?」
パ「よし、うちも参加するのじゃ!」

レ「あー…無理、イっちゃいそう」
ジ「……表記に問題有りだわ」
レ「なんで冬なんて来るの…ありえなーい…」
リ「聞いてないわね、それに下ネタがポンポン出るのは日常茶飯事でしょ」
レ「ちょいと、ちょい…ラピード…寒い」
ラ「わうぅ、わん」

ヨ「あぁ…やはりアレクセイには雪も似合う…」
カ「今はうさぎだもんね」
ユ「寂しくなると死ぬってか、オレが…ぶへっ!」
ジ「貴方には渡さないわ、…ね?」
ユ「へ…オレの美顔に…、何しやがる…」
カ「……まあまあユーリ、落ち着いて はい、顔面絆創膏」
ユ「…前が全く見えねえ」

ア「なんだか暖まって来たな、冬は案外長くて困ってしまうが…」
レ「年越しても寒いですもんねぇ…風邪引かないようにしましょうね、大将」

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