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「デューク、私は今 凄く、幸せだと感じている」


「…アレクセイ、」
歩み寄り、抱きしめた。
「……デューク?」

目を覚ました当初のように否定はされない
「お前は、独りになりたいか?」

再度、問い掛けてみる。
そうすると、面白いくらい白くなった。

「…な、りたくない…!」

私を、確かめるように抱きしめた。
不安を感じたくない、嫌なんだと

「…私も、寂しかった」
そう耳元で言えば、アレクセイは一つ息を吐いた。
「私も…」


事実だ
私の戦友、始祖の隷長


「デューク、お前――――」



だが、私は
「しかし」

「私には、もう、アレクセイしかいらない」



私がなぜ、彼にこだわるのか

私の全てを知っている、或いは把握している
それゆえに、彼は手放せない唯一の人物だ

「私は…私、は……――――」




ぎゅ、と 手に力を込めたのが分かった。

「デュークしか、いらない…」
「……二言は?」


「ない」




ようやく私の出番だ
完全に、これからは私だけ

髪も、目も、鼻も、唇も、頬も
耳も、首も、肩も、腕も、手も
胸も、腹も、腿も、脛も、足も

そして、身体。




「私だけを見れば良い」

嬉しさと、優越感に満たされ、口端を上げた。


「デューク………っ」






もう、誰にも渡しはしない

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ゆっくり、ゆっくり削り落とす。
それが粉々になるくらいまで

微塵以上に、無くしたいところだが
中々、否、そこまでは流石に無理だ


「デューク…私は、ずっとこのままか?」
暇そうに、何度か瞬きをして見せる。

「不満か?」
「……少し」

私は立ち上がり、背を向けた。
それから重い音が広がり、視線を向ければ黒い先

「行こう」
手を引かれた。




広がった先は、まるでアスピオに来たような
本棚が高々と広がり、私は身震いをした。
「読んで、良いのか?」

頷きを確認し、私は早速本を手にした。






再び訪れると、本に埋まるアレクセイの姿が

歩み、寝顔を伺う
生きている


幸せそうに


「アレクセイ」
まるで幼子のような印象を受ける。

「……あ、…デューク…」
眠そうに、だが私を見た。

「眠いか?」
「………平気だ」
体を起こし、本を揃えた。

「久々で、楽しかった」

昔、アレクセイと会った時を思い出した。



『お前、書物ばかり読んで楽しいのか?』

当時、読書は知恵の武器 と言われたものだ
知恵があることは無駄ではないが、アレクセイは他と比べても常に読書するか、修行しているかのどちらかだった。

『楽しいぞ、知恵も増えるし 何より、為になる』
そう彼は微笑んだが、私はそんなものには興味がなかった。

『お前は書物が友達なのか、哀れだな』
そう言えば、微笑んだその頬が、ひび割れたように 気のせいか、一瞬だけぴくりとした。

『…読書は、良いぞ』



あの時の微笑みとは少し変わっていたが、彼は嬉しそうだった。
「そうか……もっと読んでも構わぬ」

「ああ、でも今は疲れた」
ゆっくりと横になり、私を見た。

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「それ、は……」

瞳が、ちらついていた。
非常に醜い、まだ 迷いがあるとは

「独りになりたいのか?」

アレクセイは顔を振った。
だが、再び 俯いてしまった。

「私の想いが通じぬか?」

私は無理矢理、アレクセイの顎を上げた。
それは強制され、私と目が合う

「し、かしっ…!」
「分からず屋な」


噛み付いた。


「ッあ!デュー、ク…!!」
首へ目掛け、私は噛み付いた。
舌で撫で上げ、吸い上げる。

「やッ、デュークっ」

首が弱いらしい
アレクセイは、ゆっくりと倒れた。

その上から私は構わず続けた。

「んッ!やめ、デューク…っ!」
「っ……私の物になるなら、やめてやる」

「そ、そんなの…分からな、い……ひッ!?」


私は彼に馬乗りになり、私の跡を再び残した。
「どうする?」

「分かった、から……やめ、…て」
弱々しく彼はそう言った。

私の芯が、嬉しさで震えた。

「アレクセイは私の物だ」
一つ、優しい口づけを落とした。

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