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成る程、中々腕が立つ者が存在する団体が居ると聞いたが、
法での結果に批判があるとはいえ、私刑は見逃せぬ

広く、静かな、変わった風景を歩む


「ワウッ!」

振り返れば、ローウェル達と共に居る――――
ラピードと言ったか、なぜこんなところに居るのだ?

威嚇をしているようではないが、何か急かすように感じ取れる。
その犬が示す場所へと視線を当てれば、広間が見える。

(……あれは…)

檻に入ったローウェル達に、フードの連中が多く見える。
場所を移動し、犬と共に歩んで行けば、アレクセイが姿を現した。


(…私刑、か……)

犬を見れば、小さく唸って、そして走り出した。
それに私も走り、広間へと向かった。






「…デューク…!」
久々に見たその緋が目に眩しかった。
「…どうした、立て」

犬が私の横を抜けた。

「……すまないが、動かんのだ…」
そう言うと、デュークは私に近寄り、私の腕を取った。
「手足、やられたのか 筋肉が収縮しているな」
びくびくと小さく痙攣する手足が、邪魔で

「デューク、私は――…「アレクセイ!」

数々の声が私を呼ぶ

「……一人でエフミドの丘に来い」
静かにデュークはそう言った。


「アレクセイ!」
レイヴンが勢いよく私に抱き着いて来た。
「レ、イヴン…っ」

着いて離れないレイヴン
腕に、力がこもっていた。

「デューク、サンキューな」
「……あの者達の話を小耳に挟んだだけだ」

デュークは息を吐いた。
「アレクセイの私刑を目論む連中だ
恐らく、帝国でもギルドの連中でもない
全てはアレクセイの私刑を行うための団体だ
……私の憶測だがな」

私は視線を巡らせ、小さく俯いた。
「考えさせて欲しい」



宿へと戻り、再び医者に世話になる。
「それではお大事に」


「…モルディオ」
同室に居る少女に、私は心配していたことがあった。

「あの後、何もされなかったか…?」
「え…?…うん、…睡眠薬を嗅がされた、けど」
「怪我は、無いのだな…?」
私は少女の手を、確かめるように触れた。

「な、無いわよ…?」
「…良かった、無事で良かった…」


(何よ…私刑されそうだったっていうのに…他人の心配、なんか……!)

けど、あたしは言い返せなかった。
正確には、言い返す必要がなかったから

「今度こそは……」

(あたしが、守るんだ)


あたしはアレクセイを、寝ずに診ていた。

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今や助けは求められなかった。
宿から遠ざかり、暗い夜道を眺めた。


フードを被った連中は対して語りもせず、私を運ぶ
私は桎梏され、それはどうも簡単には解けそうになかった。


『手足を出して下さい』
疑問になりつつも差し出すと、衣服をめくられる。
『ッ!?』
注射を、刺されたようだ

『心配いりませんよ、“楽になれる薬”ですから』
『……毒薬か?』
まさか とんでもない、とその者はそう言った。
『…取って置きですよ 貴方にとっても、ね』

そうして今、私はそれに身を持って知ることとなった。



(手が、足が、……動かない…!!)
一つ、何かをするにしても筋肉が働かない

注射の効果は、これだったのか

(……完全に私を殺したいらしいな)
動く事を諦め、ただ座るだけになった。



やがて、何か重い音が迫っているようだった。
周りに居るフードを被った連中は何も言わない
視界は連中ばかりで、何が起こっているのか全く分からない


連中が引き、そこで私は息を呑んだ。

「大将!!」
レイヴン達が、檻の中で私を見ていた。


「お時間ですよ」
鎖を引かれ、連中達は一部を除いて壇から降り、ある程度離れた。


「死刑!死刑!死刑!」


止んでいた声が再び湧き出る
ゴゴゴ... 壇は高さを取った。

鎖を引きずられるが、私は歩けなかった。
しかしそれにも関わらず、引きずられる。
「ぐっ、う゛…!」

「心臓を貫けば直ぐにでも逝けますね」
服を引き裂かれ、朱い命が顔を出した。

「!!」

「何と…心臓魔導器、か…目にするのは初めてだ」
それを撫でるように触られ、鼓動が早まる

「フ、これは愉しめそうだ」
鞘から剣が引き抜かれ、剣が私の頬を軽く撫でた。
「その心臓を、欠片もなく砕いてあげましょう」


「大将ッ!!!?」
レイヴンが叫んだ。

風が鳴る。




嗚呼、終わる。









「ガウッ!」
シャン、と 綺麗な音が響いた。
風を纏い、一部の連中を吹き飛ばした。

「ぐあっ!」
「なぜ犬が!?」

強く唸り、連中を構わず蹴り、退け 繰り返す。

「ラピード!」
ユーリが驚いた声を張った。


「あれ、デュークじゃない!?」
後からやって来たデュークは連中を弾き返し、アレクセイに寄った。

「させてたまるか!」
フードを被った連中はラピードとデュークに襲い掛かる。

ラピードは犬の特徴を使い、見事に撃退させて行く
またデュークも剣捌きは相変わらずで、数々を負かしていった。

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「カルボクラムに入って行くぞ?」
パティが望遠鏡を覗きながらそう言った。
「いいから、早く行くわよ!」
バウルからあたしは慌てて降り、カルボクラムへ向かった。



「……発見」
フードを被った者達は、あたし達目掛けて攻撃を仕掛けて来た。
「くッ、厄介なのよ!」
未だに慣れぬ精霊術を使用しながら対抗する。
どうやら相手方も上手くこなして来ている。

「何なんだよこいつらっ」
ユーリも唸りながら攻撃を繰り出す。
「帝国やギルドの所属でもなさそうね…っ」
「冷静に分析は後にしてちょーだい!」
ジュディスの言葉にレイヴンはやや苛立ちを込めてそう言った。
そんな様子にパティは肩を竦めるが、中々の手強さのよう
「でぇやっ!」
カロルは大剣を振り回した時だった。

高い音が鳴り、フードを被った連中は巧みに壁を上がり、内部へと入って行った。
「あ、逃げる!」
「追いようがねぇな…!」
ユーリは舌打ちし、皆集まった。
「……何だか声が聞こえんか?」
パティが耳の後ろに手を添えている。


『死刑!死刑!死刑!』


「最奥部からするわね、急いで行くべきだわ」
ジュディスが真剣な表情でそう言った。

嫌な汗が伝う


(さっきの敵の正体はともかく……、
アレクセイの死刑を見せ付けるために招いたとか…?)

凛々の明星という枠があるだけに、アレクセイを恨む者は中々手を出せずに居た。
だが今、アレクセイは凛々の明星からは抜けてしまっている。
それならばアレクセイは罪人としての刻印しかないのだ

(殺されるところを、見ちゃうかもしれないってこと…!?)


そんなの、死刑じゃなくて私刑じゃない…!!



(でも、まだ決めるのは早い……わよね…!)
あたしは必死にそう思い込んだ。






カルボクラムは破壊や改装がされたようで、
やや道が変わっていたが最奥部にたどり着いた。
二階に出た矢先、ガシャンと檻が出現した。

「!」

フードを被った連中が現れ、肩をひくつかせた。
「クク、魔導器があったら気付いていたかもしれませんな
鼠のように引っ掛かって頂いて我々は楽しめましたがね」
檻は移動が出来るようで、重い音が響く

「……何する気だ…」
ユーリの低い声が問う
「見て頂くだけで結構ですよ」
移動した先は、打って変わった場所になっていた。
壇があり、そこにはフードを被った連中が数多く居た。


ガタンと檻は止まり、フードを被った連中は場所を広げた。
「大将!!」
レイヴンの叫ぶ声がした。

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