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「アレクセイ」
リタはのそのそとアレクセイの膝に座った。
「ん……、何だ?」
本を読んでいたアレクセイはリタに視線を向けた。
「膝、貸りるわよ」
有無を聞かず、リタは膝に座って足を組んだ。
「…ああ、構わんよ」
アレクセイは微笑み、本に視線を戻した。


しばらくし、小さな寝息を感じ、顔を上げた。
「…寝てるの…?」
目は薄く閉じてあり、口は少し開いている。
(いつもはあたしが寝ちゃうのに…珍しい…)
つんつん、と頬を突くが反応はなし

(ちょっと、くらいなら……っ)
唇を寄せ、軽く触れた。


(……う、なんか滅茶苦茶恥ずかしい…!!)
パタンと本を閉じて、膝から離れようとした。

「リタ」
ぐっと腰を引かれ、アレクセイと体が密着した。
「な、なにっ…!?」

恥ずかしくて離れたいっていうのに!

「…居てくれ、温かいんだ」
「…う、ん……」


何だか上手く断れなくなって、流されてしまった。
抱きしめられたリタは恥ずかしくなりながらも諦め、腕の中で瞳を閉じた。

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