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「何を…!」
彼をしっかりと抱きしめた。
「私と一緒に、行こう」










「なんで堅物が二人も増えるのよ!」
リタの第一声だった。

デュークは今、“凛々の明星”の一員になろうとしていた。

「あら、良いじゃない 配達屋さんが増えて」
「そういう問題じゃないわよ、バカっ!」

そしてまた、心底疑問なユーリとレイヴンだった。
(どーやって大将はデュークを……)
(デュークって辛党か?甘党か?)

「正式に一員になったからね!」
カロルは嬉しそうにそう言った。




私は三つ程、文を届けた。
殿下、姫様、そして騎士団長とギルドの長へ






「……――――」
一日の終わりに、空を眺めるアレクセイ
「どうした」
不思議になって尋ねれば、彼は笑った。

「私、今が一番 好きな時期かもしれない
私が騎士団に居た時も、好きな時はあったが、」
手に持っていたグラスを揺らした。
「私を、見ていてくれるんだ 私の話を、聞いてくれるんだ」
その言葉に、私は疑問視した。
「…どういうことだ?」
自らのグラスに酒を注ぎながら問う

「今まで、私を…見ていてくれる人は居なかったんだ
そしてまた、私自身も、蓋をしていたんだ」
彼は息を吐き、改めて私を見た。

「私は夢に終われ過ぎていて、盲目になっていたんだ
負担はあったが、皆が頑張るのだから私も頑張らねば とな」
彼は少量、口内に流し込んだ。
「……そういうことか、…しかし、お前は見付けた、と」
満足そうに彼は頷いた。


「余計なお世話かもしれないが、デューク
信じた友との、本当の決別をしたのか?」

私は一つ、瞬いた。
それから顔を振った。

「……しかし、これからを、信じたいと思う」


私が、彼に言われる立場になろうとは
やはり、彼は変わったのだ


「すまなかったな、アレクセイ」
「…そんな言葉、らしくないぞ」

「私にも情が戻ったのだろうか」
そう呟くと、彼は軽く微笑んだ。
「情のない人間は居ない、ふさぎ込むことなら…出来るだろうが」

グラスが綺麗な音を奏で、置かれる。
「デューク、ありがとう 凄く、感謝している」
改まって彼は私に深々と辞儀をした。


「私、生きている事がこんなにも素晴らしいとは、思わなかったんだ」


彼は見出だしたのだ。
その眩しさに、私は綻んだ。

「変われるのだな、本当に……」


お互いの心には、強く熱い灯が宿っていた。




私はもう、一人じゃない――――。

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