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「…私は、彼に生きていて欲しいわ
だって、彼は貴重な人材だもの」
「――――……それはアレか…利用とか?」
彼女は首を振って否定を示した。
「単純よ、思い出が聞きたいの」
「お、もい出…?」
こくりと頷き、水を一つ飲んだ。
「私の父と、一緒に居たみたいだし
あ、聞くと言っても研究以外の思い出よ」


(馬鹿馬鹿しい……)

「オレには分かんねぇ」





「――――……どうしたら良いでしょう…?」
「何であたしに聞くのよ」

エステルはあたしの所にわざわざ来て、相談しに来た。
そう、アレクセイについてのことだ

彼女はあたしがアレクセイをどう思っているのか知っているのだろうか

「だ、だって…その…、ごめんなさ「悪いなんて言ってないわ」

彼女は、アレクセイを生かしたいと思っている。
だが、アレクセイ自身は死を望み また群集は支離滅裂な意見ばかり

「あたしの意見、あたしの個人的な意見よ 良い?
あたし個人は、どちらでも良いわ 死のうが、生きようが
生きたとして、利用は出来る…それだけよ」
エステルは一度俯き、再びあたしを見た。
「リタは…アレクセイに生きて欲しくはないんですね」
「…そうは、言ってないけど…」

(気持ちとしては、そうなのかもしれない…)
しばらく、言い表せない沈黙が漂った。





「どうした、騒々しい」
「き、騎士団長っ、この子供が…!」
子供?と、首を傾げて覗くと、そこにはカロル 更にはラピードが
「どうしたんだい?」
「ちょっと、話…したくて」

予定としては、まだ割と時間がある。
「…そうだね、良いよ 入って」


「あの、…アレクセイについてね…話したいなって…」
うん、と頷いた。皆、その話ばかりだ

「難しいけど…ボクはあの人が許せない
だけど、あの人がやったことは…」
「…そうだね…、彼に死刑が下ることを望む人もたくさん居る
だけど、あっさりと決められる判断でもないんだ
感情だけで左右される訳にはいかない」

ボクとしてはね、と カロルは切り出した。
「ユーリも言うように、死刑になってほしいって…思ってる」
「カロル……」

「ワフゥ…」
ラピードが小さく鳴いた。

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