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シュヴァーン・オルトレイン

俺が最終的に選んだ名前だった。


未だに目を覚まさない俺の想いの人 もう、一週間は経っている。
下手すると死に至ると言われていたが、俺は信じていない

僅かに動く呼吸器官と心臓、体中に張り巡らされた医療機器

まるで死んでいるかのようだ
動く人形が事切れたように、ずっと寝ている。


ずっと、ずっと見て来た

柔らかい貴方の白い髪
まるで羽みたいだ

白い肌、それから筋肉
凛々しくて素敵で

厚い手、それから指
色々と思い出す

貴方の全てに、想いを


まだ開かぬ、あの紅い瞳
私を、俺を見て欲しい



すると、彼の睫毛が動いたのだ
驚かせないよう、そっと近づき、彼を見る。
心底俺の方が驚いている気がしてならない

ゆっくりと瞬きし、あの紅い瞳が俺を 捉えた。

「アレクセイ様…!」
力の入っていない手を握り、甲に口づける。
再度彼を見て、ゆっくりと近づいた。
全体的に疲れたような顔をしているが、何か言いたげだ
「シュ、ヴァー…ン、……私は、ゆめを 見た お前が、わらってて……えす、テリーゼ様も、シーフォも…みんな、みんな……」
「まだです、アレクセイ様…まだです…
まだ、貴方が笑ってない…一緒に、歩みませんか…?」

彼は視点を天井から、窓から見える空に移し、俺を見た。
「あり、がとう…かいふくしたら、君に、言いたいことがある…」
それに頷いて、俺は次の目覚めまで静かに待った。
貴方の夢の続きを、妨げないように

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