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アレクセイっぽい人物が出てきます。



「何、で……?」


『私ハ…アレクせイ、でぃのイア
懐かしイ…貴方が……私ノ、大切ナ人』


それは怪奇現象だった。



「リ、リタっち…!」
俺はいつにも増して慌てていた。
「え…何で……?」

嗚呼、やっぱりリタっちも俺と同じ反応だわ
何せ死んだ人間が、生きているのだから


「何でこいつが居んのよ…!」
怒りを含んだリタの声と表情にレイヴンは待って、と止める
「彼、見た目はアレクセイだけど…違うみたいなのよ」
「はぁ!?意味分かんないわよ…こんなの、あいつしか居ないでしょ!?」

感情を剥き出しにしたリタにレイヴンは心の隅で申し訳ない気持ちだった。
彼女にとっての親友であるお嬢ちゃん、もといエステルを酷い目に合わせてしまった。
レイヴンもそうだがあれほどまでにしたアレクセイの方が殺意が十分伝わったが

「でも、聞いてよリタっち…見た目とか凄く本人だけど…」
「…リタ・モルでぃオさん、初めまシテ
私はアれくセイ・ディのいあト申シます」
律儀に挨拶するアレクセイにリタは眉を潜めた。
「…な、何だかロボットみたいね……」
見た目は人間そっくりだというのに、喋りが何だか凄く片言だった。

「それで…どうしてこいつを?」
「実は…―――――」


それは約二週間程前のこと
真夜中にノックをする音がして、迷惑だと思ったが
出てやるとそこには全裸の、あのアレクセイが居たのだ
無論、レイヴンはあの時、死んでしまったはずの方を再度見るとは思わなかった。
あまりに似ているものだから寿命が尚更縮んだ気がする
魔導器もないのに、いかにして人を作るとか、そんな話は聞いた事がない

『貴方ヲ…探しマした……シュ、ヴァーン…』

声とか、姿形が全てあの人で
片言な喋りを除けば全てあの人で
とりあえず全裸をなんとかすべく家といえるものではないが招いてやった。

どこから来たかと聞いても微笑むだけ
動揺している自分が馬鹿だと思う程だった


「…あの時死なずに生きてて記憶とか吹っ飛んだんじゃないの…?」
レイヴンは顔を横に振った。
「それは違う」
長年も共に居れば本物と違うのが分かる
驚く程似ているが、この方はあのアレクセイじゃない
「…じゃあ本物ではないなら何なのよ」
「だからそれをリタっちに尋ねに来たのーっ」
リタは軽い溜息をついた、こんな現象は有り得ないからだ
「まさか…オバケだったりしてー」
「んな訳、ななな、ないでしょ!?」

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最近貴方が笑ってくれて
嬉しいって思った。

ああ、やっぱり
俺は貴方の事…

中々笑顔を見せない人からの笑顔は嬉しくて
尚且つ貴方は罪を背負う事になってしまって
しばらく食もしないでいた時期もあったから

貴方からの笑顔がとても好きで
どうやったら笑ってくれるかな、とか考えたこともあった


「どうしたシュヴァーン」
いつも通りに貴方に会いに来た。
「何が、です?」
普段と違う行動をとっただろうか
考えながら返事を返した。
「何だか…生き生きしているように見える」
不思議そうな表情をするアレクセイにシュヴァーンは苦笑した。
「そうですか?」
笑って応答するとアレクセイも小さく笑った。
「それじゃあ、しばらくしたらまた…」
言い終わる前に手首を掴まれた。
「……居てくれ」
少し力を込められ、シュヴァーンは微笑んで、頷いた


「大将、これ…美味しいと思いますよ」
「ふむ」
スプーンで掬って、食べるアレクセイ
「確かに…私好みの味だな」
「良かったですね」
にっこりと笑えばアレクセイは眉を潜めた
「何を言う、私の為に作ってくれたのだろう?」
「げっ…バレてました?」
アレクセイは首を横に振った
「憶測だ…だが、懐かしくてな」
俺から視線をアレクセイは外した。

「…ありがとう、美味しかった」
微笑む貴方の顔が好き
また、その顔が見たい

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「リタ・モルディ、オ……」
呼びかけられ、振り返った。
「何?って、ひゃあっ!?」
リタの腕を引き寄せ、抱き留められた。
「な、何すんのよっ、離してッ」
「……寝不足だろう…」

確かに寝不足だが、共に寝る必要はない
「意味が、分かんないわよっ……」
アレクセイは薄く笑った。
「すまない……」
消えるような声でアレクセイは瞳を閉じた。
「ちょ、ちょっと………」
抱き留められるようにされ、リタは身動きが取れなくなっていた。
(…きっと、熱で気がおかしくなったのよね……!)

しかし、この年齢でいえば相手は自分の親と大して変わらないだろう
妙に整っている顔は風邪からか、疲れているように見えた
だがそれがなかったら尚更四十代に見えない
先程まで刻まれていた皺も今はない

(…何でかしら)
アレクセイのことが不思議でたまらなかった。

視界が徐々に暗くなっていくのが分かった。





ふ、と目を開ければ朝を迎えていた。
いくらか瞬きし、体を起こした。
「起きたか」
にこりと笑ってみせたアレクセイは椅子に座っていた。
「…う?」
ゆっくりと体を起こせばいい匂い
テーブルを見ると朝食があった。
「あんたが…作ったの…?」
「…嫌、だったか?」
ぶるぶると顔を左右に振ればアレクセイは落ち着いた表情になる
「…料理、出来るんだ…って、思った」
「し、失礼な……」
若干崩れるアレクセイにリタは笑った。
「食べよ、お腹空いた」

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