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「ケーキを中心に、みんなでパーティーしましょ?」
クリティアの娘、ジュディス君が嬉しそうにレシピを並べてそう呼び掛けた。
それに同意し、皆エプロンを付けはじめた。
「材料はたんまりあるし、久々だし腕振るっちゃおうかね~」
レイヴン、と名乗るかつて私の部下だった彼はそう言った。
「ボクも頑張るよっ、そうだっ これにしない?」
カペルが取り出したのはクッキーのレシピ
シーフォがこんなのあったかと首を傾げていたが、モルディオに気にしないと言われてキッチンに向かって行った。
(ところで、なぜこのメンバーなのだろうか)
ケーキを作るメンバーに私が入るのは納得ではあるが
他はローウェルにフルール、それからジュディス君
これならばまだエステリーゼ様やシーフォらが居た方がとも思ったが、
それに気付いたローウェルが私に近寄り、耳打ちするような形を取った。
(オレ達の方は、比較的料理出来るメンバーなんだよ
特にフレンが破壊的な料理作るから、この方が安全ってこった
あっちにはおっさんやカロルがいるから心配いらねーってことだよ)
それに頷くかのようにラピードが私の足元でワフッと小さく吠えた。
割と計画的なメンバーに私は苦笑し、奥の方でフルールとジュディス君が笑っていた。
「ショートケーキ、ね…久々に食べるか?」
ローウェルが考え込むように腰に手を当てた。
「そうね、そう言われるとあまり食べないわ」
「皆凝った方ばかり行くからの~」
モンブランやチョコレートとか、と入りづらい会話に私は戸惑った。
「ところで、アレクセイはなぜケーキを食べたいと思ったのかしら?」
唐突なジュディスの言葉にアレクセイは即座に振り返った。
「む、……」
答えようとしたが、クッキー担当のメンバーも興味ありげにこちらを見ていた。
「…昔話になるだけだ、面白い話ではない」
私は小さく首を左右に振って無かったことにしようとしたが、皆は聞く気満々だった。
「気になりますっ」
「是非聞かせて下さい!」
目を輝かせてこちらを見る二人
雰囲気的にも話さねばならぬようだ
「私がまだ、騎士団に入りたての時 当時はケーキが流行していた
その甘さや手軽さに品切れを起こしたくらいだ
少々興味があったが、都合上食べられなかった…それだけのことだ」
そういやーとレイヴンは思い出すように考え込む
「俺がガキだった時もケーキが流行ってたわな、もしかしてその頃かもね」
恐らくはな、私はそう返した。
クリティアの娘、ジュディス君が嬉しそうにレシピを並べてそう呼び掛けた。
それに同意し、皆エプロンを付けはじめた。
「材料はたんまりあるし、久々だし腕振るっちゃおうかね~」
レイヴン、と名乗るかつて私の部下だった彼はそう言った。
「ボクも頑張るよっ、そうだっ これにしない?」
カペルが取り出したのはクッキーのレシピ
シーフォがこんなのあったかと首を傾げていたが、モルディオに気にしないと言われてキッチンに向かって行った。
(ところで、なぜこのメンバーなのだろうか)
ケーキを作るメンバーに私が入るのは納得ではあるが
他はローウェルにフルール、それからジュディス君
これならばまだエステリーゼ様やシーフォらが居た方がとも思ったが、
それに気付いたローウェルが私に近寄り、耳打ちするような形を取った。
(オレ達の方は、比較的料理出来るメンバーなんだよ
特にフレンが破壊的な料理作るから、この方が安全ってこった
あっちにはおっさんやカロルがいるから心配いらねーってことだよ)
それに頷くかのようにラピードが私の足元でワフッと小さく吠えた。
割と計画的なメンバーに私は苦笑し、奥の方でフルールとジュディス君が笑っていた。
「ショートケーキ、ね…久々に食べるか?」
ローウェルが考え込むように腰に手を当てた。
「そうね、そう言われるとあまり食べないわ」
「皆凝った方ばかり行くからの~」
モンブランやチョコレートとか、と入りづらい会話に私は戸惑った。
「ところで、アレクセイはなぜケーキを食べたいと思ったのかしら?」
唐突なジュディスの言葉にアレクセイは即座に振り返った。
「む、……」
答えようとしたが、クッキー担当のメンバーも興味ありげにこちらを見ていた。
「…昔話になるだけだ、面白い話ではない」
私は小さく首を左右に振って無かったことにしようとしたが、皆は聞く気満々だった。
「気になりますっ」
「是非聞かせて下さい!」
目を輝かせてこちらを見る二人
雰囲気的にも話さねばならぬようだ
「私がまだ、騎士団に入りたての時 当時はケーキが流行していた
その甘さや手軽さに品切れを起こしたくらいだ
少々興味があったが、都合上食べられなかった…それだけのことだ」
そういやーとレイヴンは思い出すように考え込む
「俺がガキだった時もケーキが流行ってたわな、もしかしてその頃かもね」
恐らくはな、私はそう返した。
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突然だが、私はケーキが好きだ
ふわっとしたスポンジに飾り付けられた甘いクリーム
イチゴがちょこんと乗ったあの美味さと可愛さ
口に入れてしまえばあっという間に消えてしまう
もう、何年食べてないことやら
あの愛らしい食べ物は、男が食べて恥ずかしいとも言われた
まだ若かった私はもっともだと思い、食べることをやめてしまったのだ
しかし今思えば、それ以来随分口にしていない
たまに差し入れといってくれる者もいたが、悠長に頂いている暇などなく…
私がそういう思い出に浸ったのは、通り過ぎた親子の子供が誕生日らしく、ケーキ!ケーキ!と喜びはしゃいでいたからだ
ケーキ、と呟き思い起こせば料理も久しくしていなかった。
旅路の最中、料理自体もあまりしないようなのだ
レシピをめくるが、ケーキの項目はない
(ふむ…私も料理は久しい、ないなら作れそうにないか)
若干肩を落とし、レシピを片付けた。
そんな様子をじっと見ていた一匹は静かにそこから去った。
「え、ケーキ?」
フレンはラピードの言葉に首を傾げた。
「相変わらず言葉が分かっちゃうもんなのね」
「ふむふむ、アレクセイがケーキを食べたいとな?」
「え!?」
パティの言葉に平然としていたリタは驚愕な表情に変わった。
「何をリタ姐 ああいう年頃の男は、デザートのような可愛らしい食べ物に人気があったんじゃ~
甘いし、ほっぺもとろけるー♪…いいこと思いついたぞ、皆でケーキを作ると良いのじゃ!」
「そう、ね… たまには、そういう甘い物を作るってのも悪くはないわね」
フレンは頷き、ラピードと共に皆に伝えてくると言って去った。
「ケーキ担当はうち、ユーリにジュディ姐、それからアレクセイじゃ」
いきなり呼び出されたメンバーに私は何か重要な出来事でもあるのかと思ったが、どうやらそうではないらしい
(わ、私が…?)
しかも、ケーキだと 驚きを隠せないでいるとエステリーゼ様が隣に来た。
「私、アレクセイのケーキ食べてみたいです」
「そんな、まともな料理なんて…もう何年も」
「みんなアレクセイが料理出来るって、知ってるんですよ?
レシピならちゃんと、そこにあります」
(ケーキ… 私が見た時は、レシピがなかったはずだ…?)
頭にクエスチョンマークを浮かべていると、カペルが照れながら「ボクのカバンの中にあったの」と説明をくれた。
ふわっとしたスポンジに飾り付けられた甘いクリーム
イチゴがちょこんと乗ったあの美味さと可愛さ
口に入れてしまえばあっという間に消えてしまう
もう、何年食べてないことやら
あの愛らしい食べ物は、男が食べて恥ずかしいとも言われた
まだ若かった私はもっともだと思い、食べることをやめてしまったのだ
しかし今思えば、それ以来随分口にしていない
たまに差し入れといってくれる者もいたが、悠長に頂いている暇などなく…
私がそういう思い出に浸ったのは、通り過ぎた親子の子供が誕生日らしく、ケーキ!ケーキ!と喜びはしゃいでいたからだ
ケーキ、と呟き思い起こせば料理も久しくしていなかった。
旅路の最中、料理自体もあまりしないようなのだ
レシピをめくるが、ケーキの項目はない
(ふむ…私も料理は久しい、ないなら作れそうにないか)
若干肩を落とし、レシピを片付けた。
そんな様子をじっと見ていた一匹は静かにそこから去った。
「え、ケーキ?」
フレンはラピードの言葉に首を傾げた。
「相変わらず言葉が分かっちゃうもんなのね」
「ふむふむ、アレクセイがケーキを食べたいとな?」
「え!?」
パティの言葉に平然としていたリタは驚愕な表情に変わった。
「何をリタ姐 ああいう年頃の男は、デザートのような可愛らしい食べ物に人気があったんじゃ~
甘いし、ほっぺもとろけるー♪…いいこと思いついたぞ、皆でケーキを作ると良いのじゃ!」
「そう、ね… たまには、そういう甘い物を作るってのも悪くはないわね」
フレンは頷き、ラピードと共に皆に伝えてくると言って去った。
「ケーキ担当はうち、ユーリにジュディ姐、それからアレクセイじゃ」
いきなり呼び出されたメンバーに私は何か重要な出来事でもあるのかと思ったが、どうやらそうではないらしい
(わ、私が…?)
しかも、ケーキだと 驚きを隠せないでいるとエステリーゼ様が隣に来た。
「私、アレクセイのケーキ食べてみたいです」
「そんな、まともな料理なんて…もう何年も」
「みんなアレクセイが料理出来るって、知ってるんですよ?
レシピならちゃんと、そこにあります」
(ケーキ… 私が見た時は、レシピがなかったはずだ…?)
頭にクエスチョンマークを浮かべていると、カペルが照れながら「ボクのカバンの中にあったの」と説明をくれた。
爆発音が響き渡る。
その騒がしい音にまたか、と頭を巡る。
鳥のさえずりが響く、はずれにある一軒は綺麗な屋敷ではあるが、とても静かな環境だ
そんな場所にとてつもない爆発音
人間がやらかしたとしか思えない
思い当たるのは、一人 いや二人か
窓際に近寄り、怪訝な表情で外を伺うと やはり
「モルディオ!何しに来た!!」
「あんたに、会いに来たのよー!」
直球な告白に私は頭を抱えた。
「爆発音で私を呼び出すな!」
「しょうがないじゃない!普通じゃあんた断るでしょ」
最もではあるが、やり方が荒い
私はため息をつき、階段を降りた。
「何しに来たんだ?言っておくが、私は屋敷のある程度の範囲しか出られないぞ」
モルディオは聞かずに、私の足元を見て理解したようだった。
そう、私の両足首には少し洒落た枷がある。
監視の為で此処から抜け出せば電撃が走り、足の神経を痙攣させるというものだ
それだけではなく、居場所や体調も分かるような高機能な物らしい
「……用件、とは何だ」
「研究ばかりしてるのもあたしらしいけど、皆の為にも色々と便利で…何よりも安全な物が作りたいの」
視線を向け、促す。
「だから、あんたの力を借りたいわけ 実際のところ、悔しいけどあんた頭いいし…あたし一人じゃ難しい」
私は瞬きし、首を軽く傾げた。
「私である意味は何なのだ、他の研究者とでも組めば良かろう」
「あんたが良いの、あんたがあたしの中ではずば抜けて良いの」
躊躇いなく言う彼女に私はうろたえた。
人と関わるのが得意でなさそうではあるが、まさかこんな形で頼まれるとは
「分かった、協力しよう」
「ありがとう、また近々来るからその時にもっと詳しく話すわ」
その騒がしい音にまたか、と頭を巡る。
鳥のさえずりが響く、はずれにある一軒は綺麗な屋敷ではあるが、とても静かな環境だ
そんな場所にとてつもない爆発音
人間がやらかしたとしか思えない
思い当たるのは、一人 いや二人か
窓際に近寄り、怪訝な表情で外を伺うと やはり
「モルディオ!何しに来た!!」
「あんたに、会いに来たのよー!」
直球な告白に私は頭を抱えた。
「爆発音で私を呼び出すな!」
「しょうがないじゃない!普通じゃあんた断るでしょ」
最もではあるが、やり方が荒い
私はため息をつき、階段を降りた。
「何しに来たんだ?言っておくが、私は屋敷のある程度の範囲しか出られないぞ」
モルディオは聞かずに、私の足元を見て理解したようだった。
そう、私の両足首には少し洒落た枷がある。
監視の為で此処から抜け出せば電撃が走り、足の神経を痙攣させるというものだ
それだけではなく、居場所や体調も分かるような高機能な物らしい
「……用件、とは何だ」
「研究ばかりしてるのもあたしらしいけど、皆の為にも色々と便利で…何よりも安全な物が作りたいの」
視線を向け、促す。
「だから、あんたの力を借りたいわけ 実際のところ、悔しいけどあんた頭いいし…あたし一人じゃ難しい」
私は瞬きし、首を軽く傾げた。
「私である意味は何なのだ、他の研究者とでも組めば良かろう」
「あんたが良いの、あんたがあたしの中ではずば抜けて良いの」
躊躇いなく言う彼女に私はうろたえた。
人と関わるのが得意でなさそうではあるが、まさかこんな形で頼まれるとは
「分かった、協力しよう」
「ありがとう、また近々来るからその時にもっと詳しく話すわ」