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鳥のさえずりが響く はずれにある一軒は綺麗な屋敷ではあるが、住む人が少ない

「おはようございます、アレクセイ殿」
窓際で静かに本を読んでいた、アレクセイと呼ばれた男は構わず読み続けた。
使用人は慣れたように料理を運び出す。
その使用人含めて数人には割と世話になっている方だ

両足首にある少し洒落た枷は監視の為だ
此処から抜け出せば電撃が走り、足の神経を痙攣させるというものだ
それだけではなく、居場所や体調も分かるような高機能な物らしい

尚且つ、この屋敷にいる使用人はただの使用人ではない
ある程度経験を積んだ文武に長けた者を呼んだようだ

アレクセイは色々と疑問が湧いたが、細かなことに悩むのはやめた


すると、コンコンとノックの音が
どうぞ、とクセで言ったが不思議に思った。
この屋敷の使用人はノックをしないよう仕付けられているようなのだ。

「アレクセイ…?」
澄んだ声を部屋に呼び込んだのは姫、エステリーゼだった。
「なぜ…!?」
アレクセイは本を落として驚いた。
「会いたくなったから来たんです、フレンも」
「失礼します、エステリーゼ様がどうしてもと言うので」
二人の眩しさにアレクセイは目を背けた。
フレンはエステルを一度見、アレクセイに近寄った。
「アレクセイ…さん」
飲み込んだその呼び方に、アレクセイは黙った間々
「その、こちらを」
ガサガサと、背後から渡したのは大きな花束だった。
突然の貰い物にアレクセイは呆然となった。
「私はこれを」
コンパクトな箱に入っていたものは、ルビーのペンダントだった。

「なっ… こ、こんな 受け取れません…」
「…私も上手いことは言えません ですが、人に愛を伝えることは…物だとしても貴方にはっきり伝えたいのです」
「…私も、エステリーゼ様も、貴方に愛を送ります」
そう言って二人は共にアレクセイに辞儀し、聞く間もなく行ってしまった。

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闘技場 此処はかつてギルドの首領として、始祖の隷長としてベリウスが居座っていた場所だった。
そしてその友、ドンも… そう思うと微妙な気持ちになる。

「ワウッ」
鋭い片目だが、応援しているという表情をラピードが見せてくれた。
「努力しよう」
剣を強く握り、騒いでいる広場と歩いて行った。


さて、なぜ闘技場にいるか
それは皆が私の実力を見たいと言ったからである。
私自身も戦に対して気合いを入れ直す為に闘技場に参加しようと思ったのだった。

闘技場の進行を務める司会者からの言葉でそれは始まった。
「私も全力で行こう、容赦はしない!」
啖呵を切り、私の言葉一つで会場は一気に盛り上がった。

私自身、こういう戦は嫌いではない方だ
無我夢中で挑む、命を狙われる緊張感、そして自信
流れるように剣を振り、魔物共を薙ぎ払う。

「甘いっ タイダルウェイブ!」
私を除いた会場が水で溢れ、渦巻いた。
荒く、切るような痛みを発するこの術は強力だ
耐え兼ねた魔物が次々と倒れる、しかし新しく出て来た魔物共は私を倒す勢いでこちらへ猛突進してくる。
様々な思いを感じながら、私は最後まで気を抜くことなく全力で戦い抜いた。


出迎えてくれたのは姫のエステリーゼ様だった。
フードに仮面と、正体を隠す為にしていたアレクセイだったが、姫様が来ると以前の立場故か つい全てを外したい気持ちになる。
「さすがです!あんなに真剣なアレクセイ、初めて見ましたっ」
「こ、声が大きいです姫様…!」
あっ、と姫様は両手で口を押さえて周りを伺ってから手を離した。

「すみません、あの… とても感動しました、私ももっと頑張らなきゃって思いました!」
それほどでもと私は首を左右に振ったが姫様は笑った。
「私、嬉しいんです 何気にアレクセイがまた剣をあのように振るう姿が見られて」
懐かしむような表情で語る姫様に私は見ないフリをした。

「では、そろそろ行きますね」
「一人で行動なさるのですか?」
「あたしがついてくわ」
モルディオがそう言い、私は頷いた。
姫様と少女が見えなくなるまで会釈し続けたのを見ていたのか、近くで見ていた青年達が近寄って来た。
「さすがです…さすがアレクセイ団ち……」
「フレン」
「……やってしまった」
あわあわするシーフォにやや苦笑するローウェル
「ところで二人で私に、何の用だね?」
「オススメの店があっからせっかくだしあんたも、と思ってな?」
それは興味深い、アレクセイは彼らの好む物も気になる こういう団欒も悪くないと思い、頷いた。

そこはパスタを専門に取り扱う店だった。
来たことはなかったが

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「私は、ありですっ!」
テーブルをバンと、一人の声と共に響いた。
真剣な面持ちで声を張ったのはエステルだった。
「私も良いわね、社交ダンスなんて踊ってみたいわ」
賛同するようにジュディスはにこりと笑った。
「なっ、ジュディスちゃんは俺とっ」
それを阻むようにレイヴンは立ち上がる、が
「じゃあアレクセイはうちが貰うのじゃ」
「そ、れはっ やっぱり大将優先しちゃうわ!」
パティの言葉にレイヴンはキリッとした表情になる。
「オレはアレクセイだったら色々やりてえもんだな」
「僕もだよ あんなことや、こんなことを……」
青年達は元気が良いのか、朝からそんなことを語る。
「ボ、ボクはそういうんじゃなくて…普通で、良いかな」
「あたしもそれに賛成よ」

さて、彼らは一体何の話をしているのか
初めは女子のみ、つまり恋バナから始まったのだった。
「デートしたいならどこがえぇじゃろ~」
「やっぱりあたしは図書館とかかしらね
ゆっくり話出来る場所だし、本の話題を共有出来るなんて楽しいし」

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