忍者ブログ
New
(10/18)
(10/18)
(10/18)
Search
[ 1 ] [ 2 ] [ 3 ] [ 4 ] [ 5 ] [ 6 ] [ 7 ] [ 8 ] [ 9 ] [ 10 ]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

あーん、と言いながらパクついたそれを見て腹が悲鳴を上げた。
「う……」
ぐう、と低く唸る腹の虫を抑えたが少年の視線はこちらを向いていた。
それからにっこりと笑いながらこちらに近付いて来た。
「これ、あげます」
差し出されたハンバーガーに僕は誘われたがダメだよ、と断った。
「食べたら眠くなっちゃうよ」
「……じゃあ眠くなって下さい」
少年の分だけかと思いきや、僕の分までどうやら買って来ていたみたいだ
ふう、と息を吐いて素直にそれらを受け取ることにした。
温かいそのハンバーガーは美味しい匂いで刺激してくる、こりゃダメだ
「ねえ…食べていいかなぁ」
「どうぞ!食べて下さい」
一口、食べれば広がる肉汁にシャキッとしたレタスや間にあるトマトがたまらない
噛めば更にそれが濃厚になり、腹が活発に動くこと間違いなしだった。
「……美味しいなぁ」
「大丈夫っすか…」
呆けながら食べたり一言発している僕に若干不安そうな彼の声がする。
隣にあった炭酸を飲み、大きく息を吐いた。とても刺激的だ

勢いよく食べてからデスクに突っ伏した。もう、と呆れられる声がする。
「スティーブンさん、そこで寝ちゃダメです」
「んん…」
手を伸ばし、少年の頬に指先で触れた。それから顎に触れていく。
「もう…スティーブンさん…?」
「ちょっとだけさ、付き合ってほしい」
「はい?」
立ち上がってから勢いよく彼を抱え上げると、彼は腕の中で軽く暴れる。
「ちょ、ちょちょっ…!」
「今日は皆オフなはずだ、それぞれ家や外で過ごしてると思うよ」
細い目で彼を見ると、どうやら言葉に詰まっているようだ。くす、と思わず笑った。
「だからさ、ちょっとだけ…付き合ってほしい」
耳元で尋ねると、彼は唸った。それから僕の頬を両手で優しく挟んで来た。
「もう…少しだけですよ?」


ぼやける視界に瞬きを何度かすると、動きづらかった。下を見れば、こっちを見ているレオナルドが居た。
「おはようございます、スティーブンさん」
「…ずっと起きてたのか?」
はい、あ、でも途中少しだけ寝ちゃいましたけど、と彼は笑った。
「……もっと寝ていい?」
ぎゅ、と強く抱き締めると彼は眉をひそめた。
「ダメです、一応仮眠室なんですから…誰かに見られたら面倒ですよ」
そっかぁ、と彼を抱えながら起き上がる。まるで抱き枕のような感覚だ

よし、と彼は立ち上がってこっちを振り返った。
「今度は一緒にハンバーガー食べに行きましょう」
「レオは本当に美味しく食べるからCM出られそうだよね」
「僕の話聞いてます?」
温めたポテトを二人で食べながら笑った。久々に食べるハンバーガーは美味しかった。
だけど、彼と共に食べるハンバーガーは普通に食べるよりもっと美味しかった。



血界戦線スティレオ版ワンドロ告知運営様にて7/1のお題「ハンバーガー」でした。

拍手[0回]

PR
つまり、と女性は顔をあげてリーダーと向き直る。
「年齢のみが入れ替わったと考えられます」
誰かが言おうとした、そんなことってあるの?という台詞


ここはヘルサレムズ・ロット、元は紐育だったが一夜にしてこの街は変わった。
信じられないことが日常的に起きるのだ、もしかしたら明日には世界もないかもしれない
簡単にそういうことが言えるレベル、だからといってすぐに認められるほど時代もついて行ってはいない


糸目の少年…だった男性は驚いて動けないままだった。まず服のサイズが合わない
元々ダボついた服装だったにしろ、成長してしまっためか体の所々に違和感がある。



レオとスティーブンの年齢が入れ替わったネタ
中途半端になってしまったのでこれも再チャレンジしたい

拍手[0回]

「アタシねえ…アンタみたいなオトコ、かなりタイプなの……」
まるで悪魔だ、僕の武器の一部だった靴は脱がされて転がってしまっている。
足から出ているのだと分かった瞬間に足払いされ、体勢を戻す前に一本取られた。
その際に靴を両足とも取られ、技を放つことは出来なくなった。
となれば、足にはもう期待出来ないので他の方法を考えるしかないのだが


人間の女、と思った相手は女ではあるのだが人間ではなかったようだ
正しくは人間に見せかけた女、だろう。今や肌の色は紫色をしていて目は真っ赤だ
睫毛や口紅、化粧はそのままのようだが今の姿の為なのだろうがあまり意味を成していない
耳はそこそこ尖っており、尻尾が完全に悪魔らしく矢印のような形をしていた。
そしてここが一番悪魔らしくない、羽だったはずがそれは原型もなく変わって僕を捕らえる蔦になっていた。
蔦なのか、何なのか、元々羽だったせいなのもあるのか肌触りがもふりとした羽っぽい
僕を捕らえている羽及び蔦みたいなそれは片翼のみで済んでいるのが恐ろしい
もう片方の右の羽はそのまま羽であって変形すらもしていなかった。


「アンタ、コレが欲しかったんでしょ?」
見せてきたのは書類が入った赤いファイルだった。確かに目的の物はそれだ
しかしそれには答えずに無言を貫けば、くすりと笑われた。
「いいわよ、あげちゃう」
「……は?」
ファイルはテーブルへ静かに置かれた、この女は何を言っている?
女の組織からしても今回の情報漏洩はしてはならないものだろう
万が一広まりでもしたらどうなるか分かったものではない、他の組織ながらつい余計なことも考えてしまったが


「で・も・ね」
よく見れば蔦の先端が尻尾みたいになっており、その尻尾に似た矢印が僕の下唇をなぞった。
「その代わり、アタシみたいな種はオトコが居ないと生きてイケないの……情報よりもそっちが何よりも大事なのよ…」
だから、と続いた。僕はこの後の言葉を出来るだけ聞きたくはなかった。
「アタシの為にいっぱい手伝ってもらうわよ…スカーフェイスさん」
「───!なぜ、その名を」
「あら?憶測だったのにビンゴだったかしら?じゃあアンタってばあのスティーブン・A・スターフェイズなのね」



モブはモブでも女モブ

拍手[0回]


Copyright © Labyrinth All Rights Reserved.
Powered by Ninjya Blog 
忍者ブログ [PR]