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ずっと、ずっと

不安だった、けれど

まだ出るべきではない

それは内側からひび割れ

そして無残な形となる

綺麗だけれど、醜い

巣立ちはいつか、むしろ

出来るのだろうか

予感はある





それは鳴いていた、片翼が真っ赤に染まっていた。
体を震わせ、付近には情の破片が散らばっていた。


「どうしたんだい」


初めてかける言葉だった、それでも震えは止まらなかった。
静かに近寄り、真っ赤になった翼に包帯を巻いた。
ただそうするだけ、未だにどうしたらよいか分からないからだ

長い、長い時間をかけて背を撫でてやる。
それしか出来ない、時に無力を感じる。


「たえられませんでした」


ようやく口にしたのがそれだった。
やはり素直だった、小難しく考え過ぎた。

心当たりならある、なぜなら無関係ではないからだ
気持ちは同じだった、そこで破片を三つ零した。


「かわりにつばさになるよ」


そう伝えれば更に破片を二つ転がした、一体どれだけの負担を抱えて来たというのか
己の不甲斐なさは知っていたけれど、こうなるまで放置させていたとは

少しずつ破片を集め、それを寄せてやる。
徐々にそれは形となり、溶けていくまで見届けた。


「ただいま、かえりました」

「おかえり、つぎはともに」

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