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「今日モ劉備ノ星…見エル」
夜空を見上げて男は呟いた、私は彼と付き合いづらかったが蜀の貴重な戦力であったために外せなかった。
何より不仲とはいえ信頼や交流がなければ裏切りを働き、最悪の事態を招くことさえある。
その日は酒宴があり皆程々に酔っていた、そしてたまたま彼が近くに居て聞こえた言葉がそれだった。

「酔っているのですか」
声をかければ彼は唸った、そういえば酒に強いのか弱いのか知らない
「我…アマリ飲マナイ」
「意外ですね、あなたなら猛獣の如く飲みそうだと思ったのですが違いましたか」
毎度少し嫌みを入れるのだが、彼はあまりそういうのを気にしない
私としては面倒もなく、敢えて言い返されないところを狙って言っているというのもあったが

「ところで劉備殿の星、というのは一体何ですか?」
悪く言うが、彼は星を眺めたりするような人物ではない
「アレ…劉備ノ星」
単純に一番光る大きな星を示すかと思えば、正直劉備殿らしい星とはいえない星を指差した。
一つかと思えばアレモ、といくつもの同じくらいの星を挙げていった。
「何を根拠にそんなことを…」
「劉備ニトッテ…民…一番……多ク支エル為ニ劉備…タクサン居ル」
つまり一番光る大きな星は民だと言いたいのだろう

「…居ナクナッテモ…オ前ガ劉備ノヨウニ…人…照ラス」
「勝手に劉備殿を亡くすような真似はやめてください」
「スマン……」

彼はきっと劉備殿が語った星の話を私にも知ってほしかったのだろう
素直に聞けない私も私だが、このようにつんけんするのは魏延殿だけだった。
そう考えると尚更頭が痛くなる、私は一体何がしたいのか

「オ前ノ星…アレ」
指差す先を見れば少々大きめの赤い星だった。
「なぜですか?」
「情熱…溢レテル…策カラ感ジル」
彼は少し満足げ笑んでいた、何が嬉しいのかは不明だが気にしないでおく
「…大きな青い星、と示さなかったことに評価はします」
やや冷えた夜風だったが、酒を飲んでいた為か逆に心地好かった。

じっと見られる視線を感じて何ですか、と短く伝えた。
「…近ク…寄ッテイイカ?」
「ええ…構いませんが」
断る理由はない、何されるか分からないので懐刀を忍ばせてはいたが
隣に気配を感じ、やがてそれは胡座をかいて座った。

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