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しばらく沈黙が続いた、そういえば彼とこうして喋ることは初めてに近いかもしれない
立場上仕方ないが、ほとんどの相手からは苦手か謙遜な雰囲気が出ている。
しかし彼は良い意味で私に遠慮しないし、ぶつかる時はぶつかって来る。
私がこんな形で褒めることになろうとは、だが納得している自分も居た。
不思議と不快の一言では済まない気持ちがあった。
彼に対する何かが完全に変わって来ていた、だが素直に認めるのも何となく嫌である。

と、いきなり隣に居た彼がこちらに横たわって来た。
何かと驚いて見れば、見た目とは裏腹に意外と静かな寝息が確認出来た。
寝ている、彼は狸寝入りをする性格ではないだろうし例えしたとしてもすぐに見抜ける。

私ですらあなたに疑心暗鬼だというのに、あなたは私にそれを抱いているのだろうか
あなたに対する態度はどう見ても他より違って、感づけば嫌われていると捉えるだろう
それをなぜ、簡単に迎え入れてしまうのかがどうも分からない

膝は仮面のゴツゴツした感じが痛いし、つい溜息が出る。
それでも拒否しない私も私だ、どうしてと問われても…私が知りたいくらいです。





翌日、私は軽い風邪を引いてしまった。
間違いなく酒宴で長く風に当たったのが原因だろう
そこまで重くならなかったのが幸いだ、伝染病なら命を落としかねない

昼頃には月英や姜維、馬岱殿などちょっとした見舞いをしに来てくれた。
それだけで満足だったはずなのに、何かが足りないと首を捻る。
考え始めたそばから荒々しく誰かが入って来た。
肩で息をしながら急接近され、さすがに怪訝な表情を浮かべた。
それは紛れも無く、魏延殿であった。

「我…オ前ニ…無理サセタ……スマン」
頭を垂れる彼、予想もしなかった出来事に私は目を大きくして瞬きをした。
「無駄話…シタ」
彼が示す無駄話というのは星についての話題だろう
あんまりに落ち込む姿を見て、思わず軽く笑ってしまった。
それを疑問に思って彼は顔を上げていた、全くこの方は面白いというか何というか

「気にしなくてよろしいです、私としては得した気分ですからね」
更に疑問の色を強めた、それがまた面白かった。
今まで彼から距離を置いていたが少し近寄ってみるのも悪くない、そう感じた。

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