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運命の赤い糸、それは恋人同士の薬指に付いているといわれている。色が名前に入っているというのに、目には見えないらしい
(薬指……)
私も知らないわけではない、薬指は結婚指輪をはめるための指でもあるということを
「────無縁なことだ」
考えてた事が口に出ていたらしい、近くで本を眺めていたラージュが振り返った。
「ん?何か言ったか?」
「何でもないよ」
そっか、と彼は再び手に持っていた本を眺めだす。興味津々に見る彼の探求心は繭世界(フィルージャ)で1番だろう
最も繭世界の住人など3人しか居ないのだが、この中では積極性がある性格をしている方だろう

「そういえばイスト、この世界は糸にまつわるものが多いよな」
「……そうだね」
異識体(イリデルシア)を倒し、のんびりと暮らしている最中。釣りをしたり、料理をしたり、今までにないことをしてみたり。
次なる生命が誕生した時にも備えなければと3人で決め、それなら知識を身に着けなくてはならないといったところだ
だからこそ彼の知りたいという欲が本を読む、という行為に繋がっている。
「糸ってことは、蜘蛛の派生なんだろうな〜」
蜘蛛、といっても一般的な蜘蛛とは少し姿形が違うのだから独自な進化を遂げたのだろう
「うわ!こんな毛むくじゃらな蜘蛛もいるのか!」
「これはこれで鳥肌が立つな」

リィンバウムのどこからどこまでが残っているのかは分からないが、もしかしたらこの蜘蛛も居るかもしれないし居ないかもしれない
だが環境はそのままなのだろうから、いずれにせよ見かけることはあるかもしれない
「異識体みたいなタイプの蜘蛛も、この毛むくじゃらなタイプの蜘蛛も…正直気持ち悪いぜ……」
「様々な生き物がいるものだな」
だなー!と彼は明るく笑いながら本を閉じた。その瞬間、私のお腹が音を鳴らした。
「おいおい、蜘蛛見て腹空かせたのかよ?」
「そんなわけないだろう。だが蜘蛛を食用にすることもあるらしいし、明日ラージュに振る舞ってあげるよ」
「ご、ごめんって!冗談だよ」
ふふ、と笑えば身震いするラージュ。私は彼の散らかしていた本や資料、文具をまとめて立ち上がった。
「キルトがまだ来てないけど、オレもお腹鳴りそうだし行ってもいいよな」
私達は交代制で料理当番を決めていた。今日はアムが担当で、出来上がる際に相棒のキルトが呼びに来るようになっていた。
「そうだね、いい時間だ」

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