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初めて顔を合わせる相手に『嫉妬の塊みたいな男か』と言われた。
いきなり何なんだと思ったが、ふと出てきた疑問をぶつけてみた。
「お前は自分の女を取られても嫉妬しないでいられるか?」
「────無理だな」
言わんこっちゃねえ。だがそんなの男でも女でもすることだ、人間なら少なからず誰だってする。


ロミオと名乗る男は蒼い髪と肌を持ち、映えるような紅い角を持っていた。その紅と同じような瞳も覗かせている。
上半身は自慢の筋肉を見せつけるためなのか半裸な上に模様も刻まれていた。両腕から手にかけては燃え滾るような炎を連想させる。
下はちゃんと問題なく武装しており、手に握られている剣は目玉を中心に角のような装飾が両側に施されていた。

修道院で誰かを待っているのだろう。刃向かうやつは誰であろうと斬り捨てる、みたいな性格かと思いきやそうでもないようだ
「お前、好きなやつってあれか、ジュリエットだな」
「何か問題でもあるのか?」
ピクリと男は反応した、きっと俺が嫉妬によって生まれた怪物だから過剰反応しているのだろう。俺は表情一つ変えずに平然と対応した。
「そう構えるなよ、お前の女なんて取らねえし、懲りごりだ」
はあ、とため息をついた俺にロミオは薄く笑った。その反応に俺は怪訝な表情で視線を向けた。
「嫉妬の怪物…の割には人間らしい心をお持ちのようだな?」
「戯けたこと言うな、元々俺は人間だったしお前も同じだろ」
睨みを利かせるとロミオはそうだったな、と独り言のように呟いていた。

「で、そのジュリエットは今どこに?」
視線が絡む、ただそれに敵意はない。分からない、といった様子だった。ただ、とロミオはそう言って腕を組んだ。
「貴様がいきなり現れたのだから、可能性がないわけでもないのだろう」
今度は俺が悩むように腕を組んだ。俺がいきなり現れた?確かにロミオが先にこの場にいた事は事実である。
「情報がなさ過ぎて分かんねぇな。そもそもなんでお前は俺がオセローだと分かったんだ?」
「分かったわけではない、お前が現れる際にお前自身が思っていることを言ったんだ」
「はあ?何言ってるか分かんねぇ」
だから、とロミオは険しい表情で俺を見据えた。
「貴様が現れた際に、お前の声で、自己紹介していた…と言えば分かるか」
「はー……俺が?何の為に?そんな戯けたことを」
そんなこと俺が知るか、と彼はため息をついた。

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つう、糸が引かれて冷たさを感じた。
それを私は甲で拭い、相手は唇を舐め取った。
「それじゃあ、また」
何事もなかったかのような、世間話をして帰って行くような素振りに混乱する。
これも今回で3度目、初めは驚いた。と同時に嫌でも好きでもないと考えている自分がいた。

どうしてあなたは、なんのためにこれを。拒否しても良かったのだ。
でも、私もそうしたいとなぜか思ったのだ。何かを埋め合わせたいかのような気持ちだった。


端正な顔立ちで、丞相とお話されている時は柔らかそうな表情をよくしている。
同じ出で立ちから昔話に花を咲かせることもあるのだろう
なぜ、私に関わってくるのか。嫌いとか苦手とかそう言いたいのではないが

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「うわぁ、すごい…!こんな風景、HLにもあったんですね!!」
「この辺りはそこまで事件のある場所じゃないし、立地もいいから一部で人気のある街なんだよ」
さて、とスティーブンさんはメニューを開きながら食べる物を選んでいく
僕も続いてメニューを開いた途端、その値段に思わずメニューを勢いよく閉じた。
「や、やっぱり…高過ぎません…!?こんなの……」
「奢るって言ったろう?少年は気にするところじゃないよ」
どうにも引けない雰囲気だ、とりあえず素直に頂かないといけなくなってしまった。


口元をナプキンで拭き、どうかな?とにこやかにスティーブンさんはこちらに微笑んできた。
「そりゃあ…文句一つないですよ……」
完食しておいて何なのだが、まだこのレストランに慣れていなかった。
軽く笑われたが、一人暮らしをしているとどうしてもそうなる。
僕のように外食の多い連中はハンバーガーなどをパクついて満足するのだ
「仕方ない、出るとするかね」

車に乗り込み、ようやく気が抜ける状態になって大きく息を吐いた。
「苦手だったか?」
「絶景でしたし美味しかったんですけど、正直に言えば…少しだけ」
「そうか、悪かったな」
申し訳なさそうにスティーブンさんは言った、俺は慌てて手で否定した。
「あ、いや、でも!スティーブンさんにごちそうして貰って嬉しかったですよ!緊張してたから…それで……」

「ありがとう、レオナルド」
寂しそうに、見えた。

僕はスティーブンさんに向かって頭を下げた。
「すみません……!」
生意気だったと思った、でもどうしたらいいか分からなかった。
俯きながら迷っていると、上から笑う声がして思わず顔を上げた。
そこには笑顔のスティーブンさんが、それからまた髪をわしゃっとされた。
困惑した表情で彼の顔を見たままでいると、いきなり唇を奪われた。
「…ス、ティ……さッ、んんっ」
熱く、深いもので、それはすぐに解かれることはなかった。
逃げ場もなくされるがままで、僕はすぐに抵抗をやめた。

とても、長かったような気がする。
呆然としていると、徐々に意識を取り戻していった。
透明な糸の途切れる感覚がし、そこで僕は真っ赤になった。
「は…え、…わぁあああ!?!!?」
「あっはっは、次は少年に美味しい店でも教えてもらうかな」
頭を撫でられてから彼は車のハンドルを握り、満足そうに車を運転し始めた。

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