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「ぁ…うっ……」
意識が段々とはっきりし始め、気がつけばそこは真っ白な部屋。

手首は後ろに固定されており、足は太腿と脛を一緒に固定されていた。
首には首輪があって、動ける範囲が定められていた。
服は白い着物のみ、そんな格好で横たわっていた。

体を起こして周りを見渡すと真っ白な部屋、弓親が居るベットも白、床は黒…つまり殺風景。

(…楽しくない部屋だ…)


弓親は半ば逃げることを諦めていた。
(僕が弱かったために……)

藤孔雀もわざとらしく奥の壁に飾ってあるのが見える。

「………」


再び横たわる際に左足が非常に痛いことを痛さで分からされた。
「…痛ッ……」

あの戦いで腱をやられた間々だった。

「………」

どうしようもない痛みに、縮こもるしかない弓親
なるべく、足を使わないように。


「起きたかい?」
目の端で彼を捉えた。
「まぁね…」

ザエルアポロはゆっくりとこちらへ歩んでいる。
もう今更、逃げも隠れも出来やしない。

「一応聞いておこう、君の名前は?」
ザエルアポロはベットへと座り、横になっている弓親にそう言う。

「十一番隊第五席綾瀬川弓親」

ザエルアポロは横たわっている僕の髪に触った。
「何だい…」
「いや、意外と綺麗なものだと思ってね」

(……何なんだ、コイツ…)
逆に不思議だと問いたくなる。

普通であったら僕は既に死んでいる。
コイツを見る限り、実験台として殺されるとも考えていた。

「…ねぇ、何で僕を殺さない?」
「実験台だから、さ」
ザエルアポロはニヤリと笑う。

「せっかく捕えた死神だ、楽しもうじゃないか」

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く、そ… やっぱり、十刃は強い、な…

戦いには勝ったものの、こんなボロボロでは次はすぐに死に追いやられてしまう。


「おやおや、凄い格好だね」

「!?」


声の主を見ると、眼鏡を掛けていて、髪の毛の色はピンク色
怪しげな雰囲気を漂わせていた。

「そんなに警戒しないでくれよ、君に興味があってね…」


コイツ、間違いなく破面だ…!


「先程の十刃落ちと戦っている姿、実に良い舞台を見させてもらったよ…」

「十刃落ち、だと…!?」

弓親はてっきり十刃だと思い込んでいた。
「…君の頭じゃ知識が足りなかったかな?」

なぜか相手は上機嫌。


「…そうだ、僕はザエルアポロ・グランツ、第8十刃だよ」

「!!」


先程のが十刃落ちなのだとしたら、今度は本当に殺される。
しかし弓親は刀を始解させた。


「…面白い死神だ」

ザエルアポロは弓親に興味を持ったのか、近寄る。


「…ッ……」

弓親は後ずさる。
(…冷静になるんだ………)

「無駄な抵抗はやめた方がいい」
ニコニコと笑いながら刀も抜かずに僕に近寄って来る。

(…今だ…!!)
ザエルアポロの後ろに回り込み、彼の肩に攻撃を行う。
肩を切り落とす、までは行かなかったが、深く傷をつけることは出来た。

「………」
肩から血が流れる様子を見ているザエルアポロ。

「…この僕に傷を付けるとはね…その程度で調子に乗るなよ」
彼が手の平をこちらに向けた。
「…許さない…!」
「ッ!?」
そこから放たれたのは虚閃だった。

「うあぁっ!」
焼けるような熱さに身を縮こませ、転がりながら避けた。

(しまっ…!!)
弓親は先程の十刃落ちと戦った際に左足を負傷していた。
慌てて起き上がろうとしたが、それは弓親の悲鳴と共に阻止された。
「あ"ァア"あ"ッ!!」
ザエルアポロは弓親の足の腱を狙って足で捻り潰していた。

「あ"、あぁっ………」
その時、弓親の意識がなくなったのを確認した。

「死神ってのは中々イイ声で鳴くじゃないか…」
ザエルアポロは従属官に弓親を運ばせるよう命令した。

「これからが楽しみだ…」
彼は嬉しそうに笑った。

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「んっ、ふぐぅ…!やめ、ろ…!」
フィンドールはザエルアポロを押し退けた。
「だったら!!」
彼はフィンドールの髪を掴み上げた。
「これを切ればいい…!!」
「や、やめろ!!」
フィンドールは首を左右に振った。

「何がしたい…!」
彼はゆっくりと髪を離した。
「兄貴が…兄貴があぁあぁあ…!!」
俺の胸で泣き始め、俺は彼の髪を撫でてやった。

思えば、兄弟なのだ
普段仲悪かろうが、どこかでは追っていたのだろう

「ザエルアポロ…」
「兄貴ぃいいいっ……」
ザエルアポロはぎゅっと服を掴んで来た。
それをフィンドールは黙って頭を撫でた。


「情けないところを見せてすまないね」
いや、とフィンドールは言った。
「それよりも、馬乗りをやめてくれ」
あ、とザエルアポロは隣に移動する。

「…前から君の事、実は見てたんだよ」
フィンドールは唖然とした。
「金髪で長髪が大いに似ているのもあったけど…
どこかしら似てる部分が所々あったりしたから…」
ザエルアポロは自分を抱きしめるよう体育座りをした。

それを見たフィンドールはザエルアポロを抱き寄せた。
「…!?」
「少しだけ、だぞ」
安心したかのようにザエルアポロは瞳を閉じた。
疲れたようで、ザエルアポロはすぐに寝息をたてた。

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