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「ぁ…うっ……」
意識が段々とはっきりし始め、気がつけばそこは真っ白な部屋。

手首は後ろに固定されており、足は太腿と脛を一緒に固定されていた。
首には首輪があって、動ける範囲が定められていた。
服は白い着物のみ、そんな格好で横たわっていた。

体を起こして周りを見渡すと真っ白な部屋、弓親が居るベットも白、床は黒…つまり殺風景。

(…楽しくない部屋だ…)


弓親は半ば逃げることを諦めていた。
(僕が弱かったために……)

藤孔雀もわざとらしく奥の壁に飾ってあるのが見える。

「………」


再び横たわる際に左足が非常に痛いことを痛さで分からされた。
「…痛ッ……」

あの戦いで腱をやられた間々だった。

「………」

どうしようもない痛みに、縮こもるしかない弓親
なるべく、足を使わないように。


「起きたかい?」
目の端で彼を捉えた。
「まぁね…」

ザエルアポロはゆっくりとこちらへ歩んでいる。
もう今更、逃げも隠れも出来やしない。

「一応聞いておこう、君の名前は?」
ザエルアポロはベットへと座り、横になっている弓親にそう言う。

「十一番隊第五席綾瀬川弓親」

ザエルアポロは横たわっている僕の髪に触った。
「何だい…」
「いや、意外と綺麗なものだと思ってね」

(……何なんだ、コイツ…)
逆に不思議だと問いたくなる。

普通であったら僕は既に死んでいる。
コイツを見る限り、実験台として殺されるとも考えていた。

「…ねぇ、何で僕を殺さない?」
「実験台だから、さ」
ザエルアポロはニヤリと笑う。

「せっかく捕えた死神だ、楽しもうじゃないか」

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