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く、そ… やっぱり、十刃は強い、な…

戦いには勝ったものの、こんなボロボロでは次はすぐに死に追いやられてしまう。


「おやおや、凄い格好だね」

「!?」


声の主を見ると、眼鏡を掛けていて、髪の毛の色はピンク色
怪しげな雰囲気を漂わせていた。

「そんなに警戒しないでくれよ、君に興味があってね…」


コイツ、間違いなく破面だ…!


「先程の十刃落ちと戦っている姿、実に良い舞台を見させてもらったよ…」

「十刃落ち、だと…!?」

弓親はてっきり十刃だと思い込んでいた。
「…君の頭じゃ知識が足りなかったかな?」

なぜか相手は上機嫌。


「…そうだ、僕はザエルアポロ・グランツ、第8十刃だよ」

「!!」


先程のが十刃落ちなのだとしたら、今度は本当に殺される。
しかし弓親は刀を始解させた。


「…面白い死神だ」

ザエルアポロは弓親に興味を持ったのか、近寄る。


「…ッ……」

弓親は後ずさる。
(…冷静になるんだ………)

「無駄な抵抗はやめた方がいい」
ニコニコと笑いながら刀も抜かずに僕に近寄って来る。

(…今だ…!!)
ザエルアポロの後ろに回り込み、彼の肩に攻撃を行う。
肩を切り落とす、までは行かなかったが、深く傷をつけることは出来た。

「………」
肩から血が流れる様子を見ているザエルアポロ。

「…この僕に傷を付けるとはね…その程度で調子に乗るなよ」
彼が手の平をこちらに向けた。
「…許さない…!」
「ッ!?」
そこから放たれたのは虚閃だった。

「うあぁっ!」
焼けるような熱さに身を縮こませ、転がりながら避けた。

(しまっ…!!)
弓親は先程の十刃落ちと戦った際に左足を負傷していた。
慌てて起き上がろうとしたが、それは弓親の悲鳴と共に阻止された。
「あ"ァア"あ"ッ!!」
ザエルアポロは弓親の足の腱を狙って足で捻り潰していた。

「あ"、あぁっ………」
その時、弓親の意識がなくなったのを確認した。

「死神ってのは中々イイ声で鳴くじゃないか…」
ザエルアポロは従属官に弓親を運ばせるよう命令した。

「これからが楽しみだ…」
彼は嬉しそうに笑った。

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