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「アレクセイ」
リタはのそのそとアレクセイの膝に座った。
「ん……、何だ?」
本を読んでいたアレクセイはリタに視線を向けた。
「膝、貸りるわよ」
有無を聞かず、リタは膝に座って足を組んだ。
「…ああ、構わんよ」
アレクセイは微笑み、本に視線を戻した。


しばらくし、小さな寝息を感じ、顔を上げた。
「…寝てるの…?」
目は薄く閉じてあり、口は少し開いている。
(いつもはあたしが寝ちゃうのに…珍しい…)
つんつん、と頬を突くが反応はなし

(ちょっと、くらいなら……っ)
唇を寄せ、軽く触れた。


(……う、なんか滅茶苦茶恥ずかしい…!!)
パタンと本を閉じて、膝から離れようとした。

「リタ」
ぐっと腰を引かれ、アレクセイと体が密着した。
「な、なにっ…!?」

恥ずかしくて離れたいっていうのに!

「…居てくれ、温かいんだ」
「…う、ん……」


何だか上手く断れなくなって、流されてしまった。
抱きしめられたリタは恥ずかしくなりながらも諦め、腕の中で瞳を閉じた。

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「なー、アレクセイは何書くんだ?」
短冊をぴらぴら見せるユーリにアレクセイは眉を潜めた。

二人暮らしを初めて早数カ月

「特に考えてないな」

アレクセイを監視していて
以前の、善意ある彼になっていた。

帝都に居れば騎士団の管理もあり、監視を任されたのがユーリなのだ

「世界征服」
「ふざけんな」

ペンが私の頭を的中

「…冗談だ」
「あんたのは冗談に聞こえねっつの」

ペンを拾い、ふむ と呟いた。

「本当に、特にないのだが…」
「書かなきゃ今日の夕飯はケーキにするぜ」

「…それは困ったな」
アレクセイは椅子に座り、足を組んだ。

「小せえけど笹買って来たんだぜ」
それを倒れないように彼は固定していた。

「オレが小さい頃は、よく願い事書いたなぁ」
「例えば?」

「んー、甘い物沢山食べたい、とかな」
そう笑う彼に私は苦笑した。

「将来太るぞ」
「うるせぇ」


「願い事、か……」


唸る私にユーリは苦笑した。
「ま、そこまで真剣じゃなくても良いんだぜ」

「せっかくなのだ、何か書きたいものだが
というか、これは何個も書いて良いのか?」

「いや、ダメだと思うぜ」
そうか、と アレクセイは再び唸った。

「ちょっと買い物行ってくる
それまでに書き上げてろよ~?」
「努力しよう」

願い事に努力を込められても、とユーリは真剣な彼に肩を竦めた。



「ただいまーっ」
「おかえり」

「どうだ、なんか書けたか?」
ああ、とアレクセイは頷いた。

「じゃ、飾ったらお互いに言おうぜ」


ユーリとアレクセイはそれぞれ短冊を笹に飾った。

「オレは“アレクセイがクレープを作ってくれますように”って書いたぜ」

「太るぞ」
「だからうるせっての」

次はアレクセイだぜ、とユーリは促した。

「“ローウェル君が私の物になりますように”」


「…誰がなるかっ!!」



しかし、数日後にはクレープを作ってあげるアレクセイと、
すっかりアレクセイの相手になったユーリが居たのでした。

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