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ローウェル君は良くて
私は受け入れられない








(悲観的過ぎるのだろうか…)

はぁ、と溜息を吐けば虚しさが募るばかり


『せぇねーん!』
『何だよおっさん』
『んーん?呼んでみたかっただけよー』


たわいのない会話ではあるが、私にとっては羨ましかった。

(……レイヴンは)

和気あいあいなこのメンバー
羨ましい仲間だ


それでも
私は表だけの存在


(…私が割り込んでしまったばかりに)

当然だ、皆 私が嫌いだ
だから必要以外話さない


仕方がない
全て私が原因だ




私はシュヴァーンを愛していた
過去形に過ぎないが

二度も彼を殺した
よかれと思ってしたことを彼は絶望し、
彼を道具扱いして用済みならば生き埋め


本来の彼は、私をどう思っているのだろうか
恨んでいるに決まっているだろう


(…彼は、同一人物でもシュヴァーンではない)

私の愛した人は、私が殺した



今はもう私の知る人ではない

かつて愛した人は



既に他の相手が居た








(…馬鹿馬鹿しい)

特に、私が




『シュヴァーン』
『レイヴン、よ 大将』
『…私は今でも愛している
例えそれが間違っていようと』
『大将、分かってると思うけど…俺もう』
『それでもだ、愛している』








「そこの貴方

私の依頼を受けて頂けませんか?

報酬は差し上げましょう

とても簡単な依頼です

その内容はこの剣をここに貫通させるだけ

どうですか、とても良い話でしょう?」


金銭の入った袋と、鋭く程々な長さの剣を手渡した。



剣を構えられ、私はそれに目を細めて見た。

次の瞬間、私は紅い飛沫を見た。

それは何よりも綺麗で、ホッとした。

数分後、私は二度と色の付いた景色を見る事はなかった。

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『お前の命も、凛々の明星(ブレイブヴェスペリア)が預かった!覚悟しとけ』

と言われ、私はそれ以来こき使われていた。
そう言ったら彼らは怒るだろうか

命は預かった、とは言われても
騎士団としては否、何も所属していない
それを良い事にギルドに入れられてしまった。

私もつい衝動というか何と言うか、頷いてしまった訳だが
何もないよりはあった方が私らしいと思ったからであって

拠点がなく、相変わらず慌ただしい日々だ


「アレクセイ、管理お疲れさん」
テントを覗かれ、アレクセイは見いやった。
ユーリと同じテントである為、彼は私の手元を覗き込んで来た。

仕事を一つ一つ丁寧にこなす凛々の明星は順調に依頼が来ている。
その為、金銭やら魔物についての管理がかなりすさまじい事になっている。
管理を任されたのも罰だとか何だかで、それぐらいなら今までしてきた事より随分軽いものだった。

「あんたってホント、真面目なんだなって思うぜ」
「……真面目なんて、言われた事がない」
そうなのか?と意外そうな顔をされた。


「……私は、ただの大罪人だ」そう言うと彼は私を睨んだ。
「やめろっつってんだろ」
明らかに彼の声のトーンは下がっていた。
「…ローウェル君、私はまだ…そこまで強くない」
私は俯いた。

しかし急に彼は私の胸倉を掴んで押し倒した。
「俺は…!…あんたが歩いて欲しいから、こうやって…」
「……余計なお世話だと言ったら?」

彼の顔が更に険しくなる。
腕を上げたのが見えたが、アレクセイは微動だにしなかった。


「殴るなら殴りたまえ、私は元々死ぬはずの……」
言葉が遮られた。


「もう、喋んな……」

それは私が今、彼に抱き着かれていたからだ
彼の表情を見れば何とも言えない表情で

「……すまんな」
そっと髪を撫でてやればユーリの顔が見えた。

「…変な話をするが、私は…弱くなった」
自らの髪と対の色をした彼の髪を撫でてやる。
「シュヴァー……レイヴン、に助けてもらってから以降、私は分からなくなった
私は…生きていていいのか、ずっと問われているようで…怖いのだ…」
ユーリは黙って聞いていた。
「私は、帝国を良くして…平和には程遠いが、それが掛橋となるような…
なのに…私は……あいつが私を止めてくれたというのに…」


「アレクセイ」


ユーリは体をゆっくり起こした。
「今更後悔したってしょうがないって、分かるよな?」
「…あぁ、分かるとも」
アレクセイはふぅ、と息を吐いた。

「聞いてもらって悪かったな、ローウェル君
それより、……その、だ…降りてくれないか」
「やだ」

その返答にアレクセイは眉を潜めた。
「だ・か・ら、やーだ」
「……なぜ…?」
怪訝な表情をするアレクセイにユーリは笑っている。
「嫌なもんは、嫌だ」
頑固に張り付いて離れないユーリにアレクセイは苦笑した。
「仕方がないな」


俺は、あんたが変われるって
信じてるぜ


そう願って、ユーリは目をつむった。

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