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「アレクセイ、そっちだ!」
ユーリが走り出した。
「……ふっ!」
アレクセイが薙ぎ払う
しかし手応えはない
「あっちだよ!」
「まだ居るわ、油断しないで」
カロルとジュディスの声がそれぞれ響く
気配がする、アレクセイは身構えた。
「っは!!」

剣が何かを裂いた
しかしそれは魔物の毛が舞っただけだった。

「…逃したか」
ユーリは汗を拭った。
「あちらも警戒し始めている頃だろうな」
剣を鞘にしまい込み、アレクセイは溜息をついた。
「今日は切り上げるよ」
二人の元に来たカロルはそう言った。
「そうね、もう暗くなって来た事だし」
ジュディスもカロルの言葉に頷いた。


アレクセイは魔物退治という仕事の依頼を受けていた。
それも『凛々の明星』というギルドに所属しているからだ
様々な経緯があって、アレクセイはギルドを選んだ
騎士団からの希望もあって、このギルドが相応しいという事だ
最近になってようやく馴染んで来た。

所属当初、嫌な雰囲気を醸し出していたローウェル君も微笑む事くらいはしてくれた。
犬のラピード君は、戦闘での援護はよくしてくれる。
しかし仕事は仕事と割り切っているようで、片目でよく睨まれる
首領の少年、カロル君は必要なこと位しかしてはくれない
それも仕方のないことだと思うしかないのだが
クリティア族の女性、ジュディス君はそこそこの反応だが良い方なんだろう
むしろ、こんな私を受け入れてくれた人達が居るだけで嬉しかった。


「魔物がいつ本格的に襲って来るか分からないから
明日辺りには親玉を叩きたいんだ」
少年は私達に向かってそう言った。
「だから、ケリは明日つけるよ?いい?」
私達はその発言に頷き、明日の準備を万端にしてから寝入った。

ローウェル君と同室だった私は何だか寝付けなかった。
否、ローウェル君だから寝付けない訳ではないのだが

何度か寝返りをするが効果なし
諦めてベランダへと出た。

心地良い風が頬を撫で、目を閉じた。
自然にはやはり勝てないな、と改めて思う



「よっ」
後ろから声をかけてくれたのはローウェル君だった。
「あんたが寝付けないみたいだからよ
ホットミルクティー、用意したぜ」
「あぁ…感謝する」
暖かいそれを受け取り、一口飲んだ。
「まだ満足して寝れねぇのか?」
「……なぜそれを?」

彼と同室になったのはこのギルドのメンバーの中で多かったが、
心配させてはならないので、無理矢理寝ようとずっとベッドに居た事が多々あった。

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