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すると徐庶殿は新たに枷を手首に嵌めて来た。
「ッ!?な、何を!」
ぐっと顔が近づけられ、目の前には彼の顔が
「君には逃げられたくないんだ、愛しているよ」
逃げる間もなく、そのまま深く接吻された。
頭や顎を押さえ付けられ、それに応える他なくなる。

ようやく離され、私はどうしたらよいのか分からなくなっていた
彼は、どこかおかしい 私を愛しているだのと、何を言っているんだ?
たまに顔が女みたいだと罵られることはあるが、どう見ても私は男だ
しかし徐庶殿にとってはそこではなく、性別を越えて私に言っている。
だからといって、こんなふうにするなんて… 一体何を考えているというのか

「徐庶、殿…!枷、取って下さい……」
酒を注ぎきった彼にそう言えば首を傾げて私に向き合った。
「取ったら逃げてしまうだろう?君と一緒に居たいんだ」
そう言いながら彼は私に笑顔で近寄って来た。
嫌な予感がした私は即座に起き上がり、枷が許される範囲の限界まで退いた。
「い、嫌です…もう変なこと……」

すると徐庶殿の顔は途端に冷徹になった。
「姜維殿が拒むのは勝手だけど、俺は俺で、君を愛すよ」
「そ、そんなっ……!」
彼はゆっくりと盃を持って近づいて来た。
一歩一歩が、何をされるか、分からなくて

「…俺と、飲もう?」


断ろうと思った、しかしほとんど拒否権のない私が断るのは先が恐ろしい
ほんの少しだけならいいかと、躊躇いながらも盃を受け取った。
「ふふ、ありがとう」
早速飲む彼を横目に見て、私も盃を傾けた。
「どうかな、結構良い酒なんだよ」
「…私が酒をあまり飲めないこと、知っているでしょう?」

「ああ、知っているよ」






次に目を覚ます頃は悪夢だと感じた。
しかし意識なんて保てるはずもなく、闇に消えた。
私にとってはとても長い時間だったが、実際は分からない

「む……ううっ…」

寝起きは最悪、と言いたかったがそれどころじゃなかった。
いつの間に全裸になっていたからだった。

「やあ、起きたかい?」
待ちに待った、という表情で彼は牢に入って来た。
私的には長い時間寝ていた気がしていたが、様子を見る限りそうではないみたいだ
「や、やあって……」
私としては冗談ではない問題だ、なぜ牢で全裸の状態なのか
これでは完全に捕虜だ、彼に対して既に半信半疑な私は身を縮こませるしかなかった。

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