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指を絡めては、解き。絡めては、解き
BGMと化しているテレビを横目にソファーで横になった。
今日は仕事がない、たまにはこう落ち着いた日もよい
クッションを引き寄せ、楽な体勢をとってぼーっとする。


カシャ

「ん」
「おはよう、ジーン」

なんてものを撮るんだ
うたた寝していたみたいだ、でもこんな暖かな日にうたた寝をしない方が逆に勿体無い

「……ああ、そういえばロッタがそこの食パン食べて良いって」
「いいのか、なら素直に頂いておかないと」


変わらない日常、俺はこんな日々がとても好きで
こういう時に限って、早く過ぎ去ってしまうもので

タバコを手に取り、立ち上がる。後頭部を掻きながら屋上へ向かった。
火をつけ、タバコをくわえる。はーっとタバコの煙を吐き出した。
「…食パンは食べ切ったのか?」
「1人で食べていても楽しくないだろう?」
それも一理あった。俺はニーノにタバコを見せた。
「…いいのか?」
小さく頷き、ニーノはタバコを1本手に取った。
俺はライターでタバコに火を灯した。

無言、でも、悪くはない
心地よい風が煙を飛ばした。

「なあニーノ、今から馬鹿なこと言っていいか?」
「なんだそりゃ、別に構わないけど」
「…俺さ、ずっとこのままでいたいんだ
この日常を、特に何でもない日常をこのまま」
ニーノは煙を吐いてから、ほんの少しだけ笑った。
「このまま?」
俺は見逃さなかった。
その瞳に様々な感情が渦巻いていることを
だが、それも一瞬だけ

「そうだな、そうなれればいい」
「俺はお前じゃないから何を考えているのか分からないけど、少なくともニーノは俺達の家族だ。それをくれぐれも忘れないように」
まるで言いつけのようだ
それでもニーノは俺達家族の一部で

「馬鹿なことを」
「言ったろ、馬鹿なこと言うって」



馬鹿なことを言える仲

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