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「ヤハクィザシュニナ」

干渉したからに他ならないのだが、この気持ちは何だろう
人間で例えるなら“恋”という言葉に近いようだ
それは人を愛で、ありふれた情を無条件に注ぐこと


「ヤ…ハクィ」

「や……」

「ヤハク……ィ」


何人消滅させたか分からない
なぜ、真道幸路朗にならないのか
なぜ、真道幸路朗になってくれないのか
なぜ、真道幸路朗でないのか
姿形はおろか、毛先も背骨も肋骨も爪も産毛も
何も間違ってはいない、完全で見事な存在を


「ヤハクィザシュニナ」
もやもやとした浮遊の中で、そうだと思い出した。
「もう一度」
ゲームのようなリセットを32回ほど続けて気がついた。
違和感があったのはこれだったのだ。

「ザシュニナ」
見つけた、私の求めていた“真道幸路朗”を
浮かんだ両手を伸ばし、頭から流れるように撫でて両頬に手を添えた。
「呼んで」
「ザシュニナ」

嬉しくなってしまった。これはまるで人間のようだと思わないか
浮ついた気持ちが心の中で満たされる。とても愛されている。
自分だけの、自分しか見ていない、よそには目もくれず、自分を
臨んだのは他ならぬ私、間違ったことは正さねばならないからだ

人類にとっての正解を
真道幸路朗の未来のためにも

なのに、どうして、埋まらないのか
パズルのピースのように当てはめても違っている
ピースは1つしかなく、当てはめるのも1つのみ

「……真道」
「どうしたザシュニナ」

不思議そうに私を見る真道、その栗色の瞳を私は見続けた。
薄かった気がする、濃かった気がする。どうだったであろうか

「真道、行こう」

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