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どうやら元のヘルサレムズ・ロットに戻って来たようだった。
ぐい、と引き寄せられて驚くとスティーブンさんの顔が見えた。
「あ、スティーブンさん!だいじょ──」
顎を上げられ舌が唇を割って入って来た、温かいそれを受け入れた。
何だろう、不思議と嫌ではなく自然に受け入れられた。
でも、なんでいきなりこんな、思考がこの事実に追いついて来なくて
「ごめんね、レオ」
静かに下唇を軽く吸われ、そっと離れて行った。
戻って来る際にぶつかった衝撃はスティーブンさんの車だったらしい、この現実に僕は呆然とした。
「とりあえず乗ってくれ。説明は追々する」
あ、はいと頷いて早速乗り込んだ。

スティーブンさんは、疑問を抱いてはいないのだろうか
どうして僕に、こんな僕に…キスなんか……何で僕にあんなことを

「──ということだ」
「はいぃ!?」
びく、とした。
しまった、話を聞いていなかった。
「はは、まー……つまり、あの後眠りに落ちた君を俺の家に送ろうとしたところを狙われたんだ
ちょっと席を外した隙に狙われたみたいでね、迂闊だった」
ソニックをスティーブンさんは片手で軽く撫でた。
それで僕の危険をソニックがスティーブンさんに教えてくれたってことか
「…あ、あの…色々と追いつかないです……」
「そうか、まあ…それもそうか?」
僕は過ぎ行く光を無言で眺めながら考えをまとめようと試みた。


そうだ、さっき僕はスティーブンさんに何された?
たった数秒の出来事だったのに衝撃的だった。
スティーブンさんの舌が僕の口の中に入って、唾液が混じって…
「あ、あの!?スティーブンさん、なんでさっ、ささ、さっき」
今更になって思い起こされた、どうして、なな、なんで…!?
停車し、スティーブンさんがこちらに体を寄せて来た。
「…そんなの決まってるだろ、レオが好きだからだ」
親指が睫毛を撫で、それから舌まぶたをゆっくりとなぞった。
優しそうな目で僕を見ている、ストレートに言われてしまった。
「あ、スティ…んむッ」
再び唇を奪われた、



異界都市の歩き方に出すスティレオ本の没でした。

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「レオ、気をつけろよ!」
骸骨達は一斉にこちらへ飛び、スティーブンさんは靴を鳴らした。
僕は後ろへ走り、建物に隠れながら戦闘の起こった方向に眼を開いた。
氷の散らばる音がし、破片がこちらにまで跳ね返って来た。
被害は無いのだが2体に苦戦しているようでなかなか仕留められないようだ、ならば
スティーブンさんを除いた全員の視界をシャッフルしてやる!
瞳に熱を持ったが出来る限り骸骨達を狂わした、1体につき瞳は3つだから2体ならその2倍だ

「エスメラルダ式血凍道…ランサデルセロアブソルート!(絶対零度の槍)」
パリパリと音がしたと思ったら、男の骸骨が氷漬けにされていて止まっていた。
その後ろに女の骸骨も道連れとなっていて、随分な広範囲の領域を氷一面にしてしまった。
それを彼が一蹴したらしく、氷の槍が骸骨達を砕いて散らした。
周りを見渡してからスティーブンさんの所へと近寄った。
「スティーブンさん!こっちです!」
「ん?おぉおおっ」
彼を引っ張り、一番初めに僕が目覚めた裏路地へと走った。
曲がり角にソニックが見え、手をぷるぷると振って誘導してくれていた。
「何だ何だっ!?何が─────」
「この空間が崩壊してるみたいなんです!早くっ!」
骸骨達の作った偽物のヘルサレムズ・ロットが黒く溶け落ちながらか蒸発していた。
スティーブンさんを誘導し、渦巻くそれに飛び込むと何かに勢い良くぶつかった。

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此処は…裏路地?目を擦り、冷え切った体を起こして立ち上がった。
どうも気分が朦朧としていていけない、確か僕はライブラの本部にあるソファーで寝ていたはずだ

(何だってこんな場所で寝てたんだ…?)

考えても分からないし、寝てからどれくらい経ったのかも知る術がない
体中を調べれば金もないときた、財布もあるだけでやはり金は一切なかった。
盗まれたと思ったが、財布以外に隠している金すらもなくて動揺した。
何がどうなってこうなったのかは理解出来ないが、行動せねば情報も得られない
路地を抜け、大通りに出たはいいが…ヘルサレムズ・ロットのどこかなのだろうが全く見覚えがない
どうしてこうなったのかという疑問は考えるだけ無駄だ、とにかく知ってる場所まで行こうと歩き始めた。

しばらく歩いたところで僕は自然に後ろを振り向いたその時だった。
ドンとぶつかり慌てて姿勢を直しながら謝ると、そこには少し不満そうなスティーブンさんが居たのだ
「えっ…スティーブンさん!?」
彼だけではない、彼の後ろに背の低い…まるで車椅子を座っているかのような影が見えて
僕の妹であるミシェーラがそこに居たのだ、何でこんな所に!?どうして連絡も無しに…

「うるさいな……」
「スティーブン…さん?」

現状に理解が出来ない、どういう経緯でミシェーラとスティーブンさんが出会ったのか
僕に話も通さずに、一体どうなっている?これはどういうことだ

「レオナルド!」
「わあぁっ!?」

視界が遮られた、聞き覚えのあるこの声は…
「スティーブン…さん?」
目の前に居るスティーブンさんとミシェーラ、そして僕に背を向けて立っているのは…スティーブン、さん?
なぜスティーブンさんが2人居るんだ?でもそれを気にしたらミシェーラが居る意味も分からない
「少年、本当に見えているものはそれであっているのか?」
「え…えぇっ!?」
よく見るとそれは異形な形をしていた、スティーブンさんによく似た偽者は舌打ちをした。
『ダメだ、本者が居ちゃ意味ネェよ』
『……あら、もう失敗?』
スティーブンさんとミシェーラに化けていた奴らは徐々に化けていた姿を戻して骸骨のような容姿になった、骸骨なのに目玉が付いていて更には額にも目玉がある。
そいつらの胸部には大きな口もあり、鋭く尖った牙がいくつもあった。
『夢喰イの俺達に見つかったんだ、化けの皮剥がしただけでも優秀じゃネェか』
『珍しいわネ、きっと今夜はパーティよ』

異形だなんて全く気付かなかった、完全にスティーブンさんとミシェーラだと思ってた。
この眼を持っていながら、どうして気付かなかったんだろう
周りは幻想で、確実なのは僕とスティーブンさんと骸骨の男女2体だけ
おかしな場所はいくらでもあった、金もなければ見たこともない街並み

「レオ、落ち着け」
にっこりしているスティーブンさん、余裕がある。
「見抜けなかったのは仕方がない、俺もきっとそうなったら警戒しなかったと思うしな」

『なぁ…もう話し合いはいいか?夢だけじゃ腹一杯にゃならねェんだよ』
痺れを切らした男の骸骨は胸部にある牙、彼らにしたら歯を撫でていた。
『アタシ、あっち食べたいわ』
女の骸骨はスティーブンさんを指し、照れているのか知らないがモジモジしている。
やはり異形からしてもスティーブンさんはイケているのだろうか、そう考えると溜息が出た。

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