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此処は…裏路地?目を擦り、冷え切った体を起こして立ち上がった。
どうも気分が朦朧としていていけない、確か僕はライブラの本部にあるソファーで寝ていたはずだ

(何だってこんな場所で寝てたんだ…?)

考えても分からないし、寝てからどれくらい経ったのかも知る術がない
体中を調べれば金もないときた、財布もあるだけでやはり金は一切なかった。
盗まれたと思ったが、財布以外に隠している金すらもなくて動揺した。
何がどうなってこうなったのかは理解出来ないが、行動せねば情報も得られない
路地を抜け、大通りに出たはいいが…ヘルサレムズ・ロットのどこかなのだろうが全く見覚えがない
どうしてこうなったのかという疑問は考えるだけ無駄だ、とにかく知ってる場所まで行こうと歩き始めた。

しばらく歩いたところで僕は自然に後ろを振り向いたその時だった。
ドンとぶつかり慌てて姿勢を直しながら謝ると、そこには少し不満そうなスティーブンさんが居たのだ
「えっ…スティーブンさん!?」
彼だけではない、彼の後ろに背の低い…まるで車椅子を座っているかのような影が見えて
僕の妹であるミシェーラがそこに居たのだ、何でこんな所に!?どうして連絡も無しに…

「うるさいな……」
「スティーブン…さん?」

現状に理解が出来ない、どういう経緯でミシェーラとスティーブンさんが出会ったのか
僕に話も通さずに、一体どうなっている?これはどういうことだ

「レオナルド!」
「わあぁっ!?」

視界が遮られた、聞き覚えのあるこの声は…
「スティーブン…さん?」
目の前に居るスティーブンさんとミシェーラ、そして僕に背を向けて立っているのは…スティーブン、さん?
なぜスティーブンさんが2人居るんだ?でもそれを気にしたらミシェーラが居る意味も分からない
「少年、本当に見えているものはそれであっているのか?」
「え…えぇっ!?」
よく見るとそれは異形な形をしていた、スティーブンさんによく似た偽者は舌打ちをした。
『ダメだ、本者が居ちゃ意味ネェよ』
『……あら、もう失敗?』
スティーブンさんとミシェーラに化けていた奴らは徐々に化けていた姿を戻して骸骨のような容姿になった、骸骨なのに目玉が付いていて更には額にも目玉がある。
そいつらの胸部には大きな口もあり、鋭く尖った牙がいくつもあった。
『夢喰イの俺達に見つかったんだ、化けの皮剥がしただけでも優秀じゃネェか』
『珍しいわネ、きっと今夜はパーティよ』

異形だなんて全く気付かなかった、完全にスティーブンさんとミシェーラだと思ってた。
この眼を持っていながら、どうして気付かなかったんだろう
周りは幻想で、確実なのは僕とスティーブンさんと骸骨の男女2体だけ
おかしな場所はいくらでもあった、金もなければ見たこともない街並み

「レオ、落ち着け」
にっこりしているスティーブンさん、余裕がある。
「見抜けなかったのは仕方がない、俺もきっとそうなったら警戒しなかったと思うしな」

『なぁ…もう話し合いはいいか?夢だけじゃ腹一杯にゃならねェんだよ』
痺れを切らした男の骸骨は胸部にある牙、彼らにしたら歯を撫でていた。
『アタシ、あっち食べたいわ』
女の骸骨はスティーブンさんを指し、照れているのか知らないがモジモジしている。
やはり異形からしてもスティーブンさんはイケているのだろうか、そう考えると溜息が出た。

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