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爆発音が響き渡る。
その騒がしい音にまたか、と頭を巡る。

鳥のさえずりが響く、はずれにある一軒は綺麗な屋敷ではあるが、とても静かな環境だ
そんな場所にとてつもない爆発音
人間がやらかしたとしか思えない
思い当たるのは、一人 いや二人か
窓際に近寄り、怪訝な表情で外を伺うと やはり

「モルディオ!何しに来た!!」
「あんたに、会いに来たのよー!」
直球な告白に私は頭を抱えた。
「爆発音で私を呼び出すな!」
「しょうがないじゃない!普通じゃあんた断るでしょ」
最もではあるが、やり方が荒い
私はため息をつき、階段を降りた。

「何しに来たんだ?言っておくが、私は屋敷のある程度の範囲しか出られないぞ」
モルディオは聞かずに、私の足元を見て理解したようだった。
そう、私の両足首には少し洒落た枷がある。
監視の為で此処から抜け出せば電撃が走り、足の神経を痙攣させるというものだ
それだけではなく、居場所や体調も分かるような高機能な物らしい

「……用件、とは何だ」
「研究ばかりしてるのもあたしらしいけど、皆の為にも色々と便利で…何よりも安全な物が作りたいの」
視線を向け、促す。
「だから、あんたの力を借りたいわけ 実際のところ、悔しいけどあんた頭いいし…あたし一人じゃ難しい」
私は瞬きし、首を軽く傾げた。
「私である意味は何なのだ、他の研究者とでも組めば良かろう」
「あんたが良いの、あんたがあたしの中ではずば抜けて良いの」
躊躇いなく言う彼女に私はうろたえた。
人と関わるのが得意でなさそうではあるが、まさかこんな形で頼まれるとは
「分かった、協力しよう」
「ありがとう、また近々来るからその時にもっと詳しく話すわ」

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唯一の楽しみがまた増えて喜んでいたエステルだったが、そのむなしさに肩を落とした。
(…お茶を共にしてくれるだけでも、嬉しいと思わなくちゃ…)
そう、今まで生きてきた中でそのわだかまりが消えたことはない


「そういえば、この間の飴… 苦かったんですけど、おいしかったです」
「あれは我々騎士団も重宝しておりまして、簡単に糖分を摂取出来ることから大変助かる食べ物なのです」
「そうなんです?私、食





恋愛物書きさんに30のお題 28.手を繋いでどこまでいこう 天使祝詞様

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もう何年前になるでしょう
はっきりしているのは、私がまだ幼かったということ

いつもいつも、私は城中を歩き回っていました。
外に出られないという退屈さに窓から景色を見て世界を想像する。
そんな日々に抜け出したくなりはするが、勇気 いや、何かが足りなかった。
どちらかと言えばエステルはまだ読破していない本に夢中だった。
そうだ、そろそろ時間 時計を見て静かに立ち上がった。

(……今日は、お稽古です)
指導してくれるドレイク師匠が私を見てくれる、はずだった。
剣と盾を用意し、いつもの訓練する場所へと向かえばそこにはドレイク師匠はいなかった。
そこには代わりにあの、騎士団長であるアレクセイ・ディノイアがいたのだった。
驚きと期待に首を傾げながらも近寄った。

「あ、あの…師匠は?」
「ドレイク殿は先程急な出張ということで、出ていかれました。しばらくの間、私アレクセイが 姫様の指導を担当させて頂きます」
「は、はいっ よろしくお願いします」
ペこりと頭を下げれば、アレクセイは膝をついて辞儀をした。

稽古はいつも通り行われた。
アレクセイ、といえば話にはよく聞くが 長く話したのは今日が初めてかもしれない。
(いつも厳しい顔をしてるから、なんだか怖い人なのかと思ってましたが……)
ちょくちょく見る自然な表情は、確かに厳しさもあるのだが 普段の、何か深さを感じるものではなかった。
しかしエステルはそこまで考える余裕はなく、彼は優しいんだという印象が芽生えた。

「姫様、先程の盾の構えではこちらががら空きになってしまうので良くないですよ」
「えっと、こうです?」
「そうですね、常に心臓を守るように 中心を心掛けると良いです」

数時間による稽古が終わり、お互いに会釈をして終了になった。
使用人と共に戻ろうとする前に引き止められた。
「姫様、良ければこれを…」
アレクセイの手中にあったのは、小さな袋に包まれたものだった。
「これ、は?」
「飴です、少々苦いかもしれませんが」
使用人に行きましょう、と促され私はまた礼をしてからその場を離れた。


その日からしばらくはアレクセイが私の稽古を見てくれていた。
馴染んだ今は、アレクセイとお茶を楽しんだりするようになった。
しかし、アレクセイから誘ってくれることはなく 段々不満が募っていった。





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