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夜も真っ只中
風はやけに煩く
時に寂しく語る
私は一つ溜息をついた

「アレクセイ」

視線を向ければシュヴァーンが居た。
彼は私の元に来て手元を見つめた。

「アレクセイ」

もう一度、先程より低い声で呼ばれる
しかし私はそれを無視した。
すると、彼は私の頬に両手を添えた。

そうすれば止まる私の手

「シュヴァーン」
そう言って声で制すが無駄だった。


「ん、……」

静かに重なる、私と彼の唇
温度が直に伝わる
何だか無駄に心地良くて

「ッ…ダメ、だ……」
私は顔を横に反らした。

「アレクセイ…」
足りなそうに私を見る。



「…明日には……」
「………」


シュヴァーンが黙っていると、髪が撫でられた。
鎧のしていない彼の手は優しくて

「もう、いいですから…満足です」
俺は彼の手を掴んで、そっと離した。

「すいません」
謝れば少し揺らぐ彼の瞳
逃げるように部屋から出た。

彼の声が聞こえた気がするが、邪魔は出来ない



暗い真夜中の廊下
俺は泣いた



朝から何だか騒がしく、気になった。
そこらの情報の早い兵に事情を聞けばアレクセイが倒れたということらしい

俺は、迷った。


会いたい
けど、会ってはいけない


会ったところで俺に何が出来るのか
そうだ、何も出来やしない




「シュヴァーン……」
ようやく一人になって呟いた最初の一言

嗚呼、彼も迷惑だというのに
居心地が良くて、すぐに想ってしまう

淡い期待が巡る
(…会いたい……)

緊張する体を抱きしめるように横になる。
けど、結果的には体調管理すら出来ない私を見て失望するだけだろう


(はっ…馬鹿馬鹿しい)

甘ったれるな
そう、強く自分に叱った

つもりだった。




容態は悪化した。

頭はズキズキ痛む
身体は思うように動かないし、自分でも分かるくらい熱い
脈も普通以上にドクドクいってて気持ち悪い

医者はただの熱とおっしゃった。
熱も油断出来ない、そんな暢気な思考だった。


しかしそれも頭痛によりすぐに吹っ飛ぶ
「はぁ……痛、い…な……」
頭に手をかざし、しばらくその体勢



熱は三日目でようやく治った。
仕事をせずに三日経ってしまったため、アレクセイは今日も徹夜

早く終わる仕事が三日も溜まればそれはそれで量がある。
しかし、その前にやらなければならないことがアレクセイにはあった。

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