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(御客様、一名入リマス―――。)


「アレクセイ、様…」

暗い階段を降りて来たのは、紫の羽織りを着た男ではなかった。
左目を隠し、橙色の服装に黄金の鎧を纏った私のよく知る人物だった。

『シュヴァーン、か…』

私を縛り付ける鎖は重く響いた。
それに必要以上動かない為、それは慣れない音だった。

「アレクセイさ『よせ』

『私は愚かな人間だ、今更尊敬の意を示すな』

背中越しには黒く、見えない壁があるのを感じる。
ずっしりと身体に違和感があり、疲れが時々伝わる。

「違う、んです…俺、は……っ」

シュヴァーンが、勢いよく近寄って来た。

「俺は、好き…でした……アレクセイ様、が…」

足を正座の形にして、俯くシュヴァーンは見たとおり暗かった。
私は震えてはっきりしない手で、シュヴァーンの頬に触れた。

『私は、それを受け取る事は出来ないのだ……』

「ア、レクセイ…様……」

碧の目が揺らぎ、それは光った。
その光った粒は下り、軽く弾んで返った。

『ありがとう、シュヴァーン』

「!…アレクセイ…!!」

段々彼が見えなくなる。

嗚呼、私はこれから地獄をさ迷う。

それは永遠に、尽きることがない。

毎日が永久、終焉が永久


『許されない』

私はゆっくりと瞳を閉じた。

一生、醒めぬその夢を

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