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紅い、真っ赤な服装で私に近寄るは一人の男
かつては彼と笑い合ったような気がしなくもない

「私をどうするんだ」
ガシャリ... 軽くて高い音が私の手首で鳴る。

「お前は私の物だ、もう、離さぬ」
私とは違って、華奢な身体に抱き寄せられる。
しかし、どうしてか厚い気持ちになる。

「この手錠は、私との約束」
デュークは、その手錠に口づけを落とした。


「………私は…もう、」
急に押し倒され、私は目を張った。

「お前は私だけを見ていれば良い
私の意思に従えば良いのだ」

「しかし、デューク…」
「まだ反論するか?」

手錠をされた手首を上に持って行かれる。
抵抗なぞ、皆無に近かった。

そもそも、私は抵抗する気は無かったが


「デュー、ク」
「私の中にあれば、もう要らぬ
何もかも、お前だけで十分だ」

強い抱擁に、息を漏らした。
(もう、逃げられないということか――――。)


そしてまた私も、身を委ねたのだった。





裏系10題 1.手錠 天使祝詞様

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