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「うむ、非常に美味しいな」

オレが下町の宿で世話になってる所にアレクセイが来た。
彼は話し合いの元、凛々の明星に所属することになった。
牢に居たアレクセイはとても絶望に満ちていた。
しかしそれも半年経ってからは笑顔を見せ始めた。

「あんたガキかよ、ご飯粒付いてんぞ」
それを掬いとってやれば、くすぐったそうにした。
「すまん、つい、夢中になってしまっていた」
笑顔を見ると、ああ 良かったって思える。
そう、あの時と比べたら大分


オレは最初、アレクセイが凛々の明星に所属すると聞いて愕然とした。
反対だってした、首領のカロルのことだってある。
だが、エステルからの推しもあってか、渋々了承したのだ。

(……優しそうな顔、してんなぁ…)




彼と向き合った時、あの瞳はどす黒い赤だった。
自分は間違っていない、邪魔はさせない そう呼び掛けるような


(考えるのやめよ…)

頭を振り、若者のような食べ方にまた苦笑
あの時の彼とは違った彼だ


またどこかで、オレも彼を尊敬してたりするもんだ

「ローウェル、……」
呼ばれて振り向けば頭を振るアレクセイ
「何でもない、早く部屋に…」
「…分かった」

きっと眠いのだろう
けどオレ達にはまだやることがある




(……月だ)

済んだ空に囲う雲が月を歓迎しているようだ


「……ん、…」


(…アレクセイ)

すっかり疲れたようで、寝てしまった。


布団をかけ、微笑む
「さて…頑張るか…」






体を巡る寒さが続き、目を開けた 時刻を見たら四時
「…寝ちまった…まだ終わってねぇや……」

ギルドの依頼、金銭、データ かなりの量があるのだ

「あれ…」

いつの間にかベッドで寝ていて、アレクセイは床で
かなりの量を処理しなければと思ったのに

「!…おい、アレクセイ!」
揺さ振っても、全く起きる気配がない
「ッしょ!」
ベッドに移動し、一息


(…こんなんだからレイヴンに心配されんだよ…)
一人で、たった一人で背負い込むもんだから

やけに綺麗な頬に、甲で撫でる
(……冷えてる)

よく眠る彼に、笑って欲しい
それなら、どんな顔して笑ってくれるだろうか


部屋から出て、ラピードに一言告げた。

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