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多忙な日々もようやく落ち着き、ネルは最後の荷物を抱えて倉庫へと向かった。
これを運び込めばとりあえず休暇を頂ける、さすがに徹夜が続くと辛いものだ
目的地へと向かおうと歩き出そうとした瞬間、荷物が急に軽くなった。
驚き、改めて意識を集中させた時には荷物が浮いていた。
否、それは浮いていたのではなく人の手によって浮いているように見えていただけだったのだが

「おい、大丈夫か」
久々に見る赤目、そして未だに変わらない髪色だが少し伸びたように見えた。
正体はかつて敵国の長であり、後に仲間となったアルベルだった。
「……何であんたが居るのさ」
夢か何かかと思って頬をつねったら痛かった、痛みに頬を手で押さえた。
彼は怪訝な表情で私を見ながら、再び大丈夫かと呟いていた。
「ごめん…あとこれをあの倉庫に運ぶだけだから」
「俺が運んどいてやる、座って待ってろ」
仲間として行動していた時は、お互い気が合わずに口喧嘩が日常茶飯事とまで言われていた。
現在は国同士で和平を結んだため、これからを歩み出すために様々な物事が色々な所で進んでいた。
だからかいつまでもがみがみは言っていることも少なくなり、協力的にもなったアルベルに好感を持つようになった。

「…ったく、相変わらずここには男が少ねぇんだな」
「知っているとは思うけど、シーハーツには前線に立つ女性が多いのさ
それに、さっきの荷物量なら私一人で十分だよ」
そう答えると、彼はいつもよりとても不機嫌そうな表情になった。
何か悪いことでも言ったか、と己の発言を思い出すが心当たりがない
「…どうしたんだい?」
「言ってることは最もだがな、たまには誰かを頼ってみたらどうだ」
「余計なお世話だよ…それより私に何か用があって来たんだろう?」
そう言いながら彼の腰に提げている通行証

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