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「どうしてアンタはそうやって!」
睨みながら怒鳴る女性の声が朝からしている。
その対象はやはり、彼女にとって嫌悪感を持たれていると思われる男性だった。
「俺がどうしようと勝手だろうが」
そう返しながら彼もまた、彼女を睨んだ。
それに負けず、再び何かを言っている様子に俺達は溜息をつく
「相変わらず馬が合いませんね」
珍しくミラージュもこう言うのだから相当だと思ってもらって構わない
突っ掛かるという言い方は何なのだが、大体ネルからである。
だがそれは大抵アルベルが団体行動を乱すからであった。
「テメェ…いつもうるせぇんだよ!お前は一体何様なんだ!?いつも俺に構いやがって!」
珍しくアルベルの怒声も聞こえる、これはかなりの大喧嘩に違いないのでは
すたすたとアルベルは去って行き、ネルも後を追ったように見えたがやめたようだ
マフラーで口元を隠し、横髪で様子は見えなかったが俺は何かが引っ掛かった。
ネルもまた彼とは逆方向に行ったようなので俺はミラージュと目を合わせた。
「一肌脱ぎましょうか」
「お、そりゃ助かるぜ」



捜しに歩くと、やはり寂しそうにしている彼女の姿を見つけた。
それから隣に座り、ちらりと見れば瞳が潤んで見えた。
「…ごめん、ちょっと、泣きそうなんだよ」
素直にそう言った彼女に俺は後頭部を掻いた。
「ハンカチなんて持ってねぇからな、少し許せ」
腕を取り、それから肩を引き寄せて胸に寄せた。
心に決めている相手にされるのが一番だろうが、それは無理だろう
彼女は抵抗せず、俺の胸元で静かに泣いていた。

しばらくすると、彼女は小さくありがとうと言って離れた。
「原因を聞いても良い感じか?」
「……単なる嫉妬だよ、アイツ…何だかんだで人気あるし、さ」
再び寂しそうな表情を彼女は見せ、俺は軽く溜息をついた。
ネルの気持ちも、アルベルの考えも、分からないでもなかった。

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