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フェイトならきっとこんな感じなのだろう
『ネルさん、いつもありがとうございます』
と、にこやかな笑顔で彼は送るに違いない
いきなりではあるが、問題はないだろう
『えっ、急にどうしたんだい?』
『日頃の感謝を込めて、プレゼントしようかと思って』
――――…とか何とか、上手く行きそうで腹立たしい

クリフからしても渡しやすいだろう
『よっ、これやる』
気軽にポイッとプレゼントを投げて渡し、彼女がそれを受け取る。
『これは?』
『マニキュアだよ、ネルに似合いそうだと思ってな』
――――…と軽い感じに言えてしまうから腹立たしい

いや、俺は俺だと納得させる。
だが、それならば俺はどう彼女に渡せばよいのか
面と向かって?誰かを経由して?俺らしさとは?
というかなぜ俺は買ってしまったんだ?と、違う迷路にも迷い込んでいた。

「あんた、そんなとこで何してんだい」
この声は、俺を悩ませている張本人だった。
俺は瞬時にプレゼントを仕舞い込み、振り返った。
「俺のすることに興味があるのか?」
「さっきから突っ立ってるから、変だと思ったんだよ」
服装も妙だから不審者に思われて面倒を作りそうだ、と追加される。
睨むと睨み返される、どう考えても後者の発言は余計だろう
「さっきから、か それまで俺を見てたってことか」
「見てるわけないだろう、突っ立って無駄な時間を過ごした訳じゃないんだし」
「テメェ……」
言い返そうと思ったのだが、堂々巡りな口喧嘩が未来に見えていたので口をつむいだ。

これではプレゼントどころではない
彼女が俺を嫌っているのは暗黙のルールのようだった。
なのに、分かってて買ってしまった俺は阿呆としか言いようがない
それでも何か、彼女に対して納得させた何かが欲しかったのだろうか

外に向かって歩き続けると、彼女はなぜかついて来た。
しばらくしても足音はやまなかったので振り返ってみると、やはり彼女が居た。
「ついて来るな」
「聞けないね、勝手に外へ出られちゃ皆が困るよ」
軽く顔を左右に振った、それから彼女に近寄った。
「これやるからさっさと行け」
仕舞い込んだマニキュアを押し付けるように手渡し、再び歩いて行った。
「あ、ちょっと!待ちなって!」
右腕を掴まれたが、俺は振り返らなかった。
「何なんだいこれ、あと勝手な行動は許さないよ」
「テメェにやるつってんだ、それに外には出ねぇから付き纏うな」

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