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そういえば戦争状態になってから、結婚式など開かれることはなかった。
アーリグリフと友好関係になってからは、再びそういう話も聞くようにはなったが

「ネルはいつ、結婚するの?」
唐突な質問に私は目を何度か瞬きさせた。
マリアによって出たその疑問に、ソフィアもフェイトも興味津々だ
「それは…ほら、相手も居ないんじゃ出来る訳無いだろう?」
苦笑しながらさりげない否定を組み込むが、マリアは引かなかった。
「確実なデータはないけれど、戦争状態にあった国及び星の住人は早いうちに結婚すると思うのだけれど…違う?」

思わず言葉を失った。
そうだ、早い人は二十歳を迎えるか迎えないかで結婚をしてしまう
それに比べたら確実に私は晩婚に入る

「それは…確かにそうだけど」
隠密として陛下に仕え、毎日が死と隣り合わせだった自分にとって結婚など考えもしなかった。
「ちょっと意地悪だったかしらね、でもそろそろ考えていいんじゃない?」


ソフィアの夢物語を聞いた後に気分転換で庭園を歩いた。
結婚、というキーワードが頭を巡る。
(そういえばアイツはこういうこと、考えてたりするのかねぇ)
私が思い浮かべるのはかつて敵国の長だったが、今は仲間の一人であるアルベルだ
同世代で同じ星に住んでいるし、彼の考えを聞いてみたい気もする。

悶々と渦巻く思考の間に、声が聞こえたので振り返った。
「おい、何をとぼけていやがる」
「とぼけてなんか…いるか」
「大丈夫かお前」
問おうとした本人が現れ、散らかった考えを何とかまとめた。
「ちょっと聞きたいことがあるんだけど、あんたは結婚って考えてる?」
「あ?いきなりどうした」
怪訝な表情になった彼は私を心配そうに、いや哀れむように見ていた。
「何だいその目、やめてほしいね」
「マジで阿呆になっちまったのか?」
脛を蹴り、彼が崩れ落ちた。

「――――で、何だってんだ…」
痣になったところに彼はヒーリングを掛けながら近くの長椅子に座った。
「マリアに、いつ結婚するかって聞かれてさ そういえばそういうことも考えなきゃなって思ったんだよ、だからあんたはどう考えてるかなって」
「さあ、な 相手が居もしない時点で想像するだけ無駄だ」
「あんたねぇ…」

彼も私も、年齢的にはもう結婚していていい歳だ
なのである程度考えてたりするかと踏んだが、全くその様子のないアルベルに思わず溜息をついた。

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