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紫や青の、色濃く泥のようなものが視界を埋めていた。
足元にはおもちゃの剣が先程音を立てて落ちていた。
後ろから悲鳴や心配する声でたくさんだったが、それよりも
「――――カゲロウ、もう少しだけ」
「で、でも兄貴…っ」
「お願いだよ、失いたく…ないんだ」
消え行く目の前の、泥のような質の冥土へ今にも触りそうな勢いで頼んだ。
そんな僕を見兼ねたカゲロウは、再び気を引き締めてくれた。
「こんなこと言いたくないけど、ダメだったとしても…許してくれよなっ!」
「君を信じるし、僕自身も信じる。だからっ…本当に最後の最後だ!」
放たれる、今までよりも強烈な光にまぶしさを感じた。
それに更なる力を込め、強く強く、願いながら光を広げた。

「はぁあああぁぁああっ!!」
かつてないほどの声を張り上げ、膨大な光を目の前に放った。
二人で叫んだ、どうか、どうか届いてほしいと
そこから、僕の記憶が途切れた。






誰かに認めてもらいたかった、オレだって頑張っているんだということを
寂しかった、誰からも相手にされずに過ごしていく日々が

(……何、だ…?)

光が近付いて来た、温かな気持ちのする光が
でも、その眩しさが少しだけ怖かった。

ゆっくりと、瞼を開けた時には白い天井だった。
それと同時に、急いで駆け寄って来た何かが視界を埋め尽くした。
「ギフトっ!」
訳の分からないまま抱きしめられ、オレは反応出来ずにいた。
「フォルスさん、まだお体が万全ではないのですから寝かせてあげて下さい」
眼鏡を掛けたフラーゼンがオレの目の前に居る者に呼び掛けた。
フォルス?と少しだけ身を引くと、逆立った赤い髪が見えた。
「ギフトっ……」
彼が顔を見せたそれは肌色とは程遠く、朱色に染まっていた。
再び抱きしめられたが、それによって体中に痛みが走った。
低く呻いたオレからフォルスは慌てて放れた。
「ご、ごめんっ…」
「いいよ…ちょっと、痛かったけど」

周りには友達の彼とフラーゼンしか居なかった。
自我をほとんど失っていたとはいえ、あれだけのことをしたのだ
色々な問題がオレを許しはしないだろう、それよりも身体がどうも動かない

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