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永い とても、深く永い海の底へ
いや、海じゃない けれどよく沈む
息が 出来ているのか、そうでないのか
俺には理解の外、だがこれは



転生 -Reencarnacion- (レエンカルナシオン)



「…っ!」
勢いよく起き上がると、そこには見たこともない光景が広がっていた。
否、見たことがないわけではない
見たことがないと錯覚されていただけだった。
殺風景で、だが温かさを感じるこの小部屋

(やはりもう少し、白かった気がする)

手の平を見つめ、甲へと返してからゆっくり立ち上がった。
畳みが軋み、窓際に近付いて窓を広く開けた。
澄んだ空気が入り込み、心地好い呼吸の助けをする。

(懐かしい、そう思う)

毎日が楽しいこの世、人間を羨ましいと感じたあの時
果たして、あの時とはいつだったかは覚えていないが
遥か遠い昔だったか、そうでなかったか
記憶もないが“そんな気がする”程度だ
思い起こしたところでそれは曖昧であるし、
今の俺にどう繋がるか不明なので探らないだけだった。

ただ、人間になりたかった。

なぜか、いつだか、そう思ったことはあった。
哀れと思ったこともあった気もする。
だが、人間になればよく分かる気もした。

「遅ェぞてめえ…!!」
「…何をしている」

窓から姿を現したのは203号室のグリムジョー、確か現代風に言えば
「…どきゅん」
「うるせぇ!早く入れろ、落ちるだろーが!!」

大体俺の部屋は201号室だ、窓際より普通に来た方が圧倒的に早い
「断る」
「ふごあぁ!ふざけ、窓閉めんじゃッ…!」

ピンポーン

「客人だ、失せろ」
「おぉおおああぁあああ...!」

出てみるとそこには落ちて行った彼と同居しているシャウロンとナキームが来ていた。
「グリムジョーが来てはいませんか?」
「……窓から」
そう伝えるとシャウロンは頭に手を当て、溜息を
ナキームは首を左右に振ってシャウロンを見た。
「手を焼いていると見た」
「ええ、本当にやんちゃで困ります」
「シャウロンてめぇ!なに保護者ヅラしてんだ!」
階段からちゃんと上がって来た彼は今にもシャウロンへ飛び掛かりそうな構えだ
そのところをナキームがなんとか止めていた。
ところでグリムジョーは結局何をしに来たというのか

「用件ならさっさと言え、どきゅん」
「うるせぇな!此処に来て新しく覚えた単語を連発すんじゃねぇよ!あとてめぇらも笑ってんじゃねー!」

現代式超人気百万単語、それを俺は握り締めてこう思った。
グリムジョーは、どきゅんなんだと

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