忍者ブログ
New
(10/18)
(10/18)
(10/18)
Search
[ 572 ] [ 571 ] [ 570 ] [ 576 ] [ 567 ] [ 566 ] [ 565 ] [ 558 ] [ 557 ] [ 562 ] [ 561 ]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

ああ、とても腹が立つし研究に身も入らない
何本目の試験管を割っただろうか

「ザエルアポロ様っ」
ピョンピョンと跳ねるルミーナにベローナ
視界の邪魔で仕方がない、蹴っ飛ばして試験管をもう一本割った。
行き所のない怒りが溢れて止まらない

「くそっ」
試験管を足で踏み潰し、拳を作った。
誰に対しても怒りをぶつけられないから尚更だ
僕の怒り、それは同じ十刃であるウルキオラに対してだった。
奴は藍染様に恭順な姿勢だ、それは分かる。
問題は内容だ、連行した人間の女である井上織姫と共に居る。
そこはまだ我慢出来る、だが監視担当にウルキオラというのに納得が行かない

「…はっ」
手で握り潰した試験管の硝子をパラパラと叩いた。
人間の女、ノイトラやグリムジョーが喜んで見に行きそうだ
自宮に居てはイライラするばかり、立ち上がって部屋を出た。

静かな部屋を求めた、しばらく誰とも干渉したくはない
膝を抱えてるようにして椅子へ座り、顔を沈めた。
しばらくこうして一人になって自身を落ち着かせた。




霊圧を探っても、探っても曖昧な間々だ
ウルキオラは、ザエルアポロを捜していた。
彼の宮へ向かったが、従属官であるルミーナとベローナが居るだけだった。
「ザエルアポロはどこだ」
「分かんない?」
「分かんない!」
びたんびたんと足元で跳ねている、これでは捜しようもない
一瞬光る何かを見つけ、それを摘み上げてよく見てみた。
「試験管…」
白い床だった為に分かりづらかったが、試験管の硝子がかなり散らばっていた。
歩けばパリンと割れて行く、一体何本割ったのやら
行方も分からないのなら待つしかないのだが、あまり長い時間は居られない
彼がよく座る椅子に触れ、ゆっくり座って待つことにした。

何を考えているのか、相変わらずよく分からない
それは相手も同じだろう、だからこそこうして

「なぜ君が居るんだい」

目を開ければ、扉には捜していた人物が立っていた。
「こんな所に用はないだろう」
彼は硝子の上を構わず歩き、割れる音を響かせた。
なんだかその様子に俺は歯痒さのようなものを感じた。
「ザエルアポロ」
彼は無言でこちらを見て来た、それは鋭かった。
なぜ、そんな表情をするというのか
俺は顔を合わせたかっただけだったというのに

拍手[0回]

PR
Comment
Name
Title
Font Color
Mail
URL
Comment
Password

Copyright © Labyrinth All Rights Reserved.
Powered by Ninjya Blog 
忍者ブログ [PR]