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ユーリの姿でもアレクセイの面影がある
レイヴンはそれに気付き、唇を噛んだ。
「…レイヴン、私の姿がどうであれ 私は君を愛しているよ」
思わず心臓が飛び出そうになった。

レイヴンはアレクセイを抱き寄せ、唇を寄せた。
「待て、私はアレクセイだが、形はローウェルだ
彼の体を勝手にしてはいけないと思うのだ」
拒否をしつつも、アレクセイも残念そうだった。
「元に戻ったら、キス…してくれ……」
「…はいっ」






「ただいま!」
エステルが満面な笑みで帰って来る
「二人はまだなおってないんです?」
「ええ、それよりもどこへ行っていたの?」
これです!と 鍋ごとジュディスに差し出した。

「…?……うえっ」
「とてもジュディスの台詞とは思えないね…」
床にしゃがみ込んだジュディスの背中叩きながらカロルは苦笑する。
「これ、フレンに作って貰ったんです
もしかしたら気絶してなおると思って」

「気持ち悪いわ…吐きそう」
ジュディスが体調を崩したのは言うまでもなかった。




ようやく全員の顔が見える頃にそれは始まった。

「ごめん、ユーリ」
と言いながら体を縛り付けるカロル
「悪気はないから」
同じくリタもアレクセイを縛り付けた。

「二人にはこれを食べて頂きます!」
中身はどろどろとした沼のような感じ
色は緑であれは食べ物だろうか
何だか腐った臭いなんかもする
食べたら逝ってしまいそうな食べ物(?)がある

「え、何なの…何すんのコレ…」
ガタガタとユーリは震え出した。
「鍋にフレンって書いてあるんだが…
なぁエステル、コレってフレンのじゃねぇよな…?」
エステルは知らんぷりを突き通していた。

「…シーフォの、作ったもの、なのか…?」
アレクセイもここまで酷いとは思わなかったようだ
「に、臭いからして…き、気持ち悪い…うっ……」
「二人共、準備は完了しました?」
エステルの言葉にカロルとリタは頷いた。
「ではお願いします」
二人はスプーンでそれを掬い、二人の口元へ
「「…う、うあああぁぁああぁぁあああ!!!!!?」」


絶叫はかなりの広さに響いた様子だった。



無事姿は戻ったものの、やはりキツかったようだ
「大将、大丈夫でした…?」
なんとか…、とアレクセイは呟いた。
「けど、戻って良かった…」

レイヴンはアレクセイの額に触れた。
それからそこにキスをやった。

「あ……」
「…口は味が移ると怖いんで」
レイヴンは苦笑しつつ頭を掻いた。

「お預け、か」
アレクセイは残念そうに息を吐いた。

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