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冷えた洞窟、そして檻
私は、色を見た


「……あ」
発声、どうやら正常らしい

ゆっくりと体を起こし、見渡す。
初めて来る場所、匂い、風、肌、気持ち


「アレクセイ・ディノイア」

びくりとし、振り返った。
不意に現れた彼は、懐かしかった。

「私、は…どうしてしまった…?」
「そんなことは、もういい」

彼は私を抱き留めた。
細く、華奢な体に、温度を感じる。


だが、内側には沸々と嫌悪感を感じた。


「よせッ!?」
無理矢理引きはがし、私は退いた。

「…っ……嫌だ、来るな…!!来るなァっ!」
しかし、彼は私を追い詰め、距離を縮めた。

「…ひっ!」
伸ばされた手、その人差し指が私に触れた。

「や、やめろ…!私に、触るなァ!」
手を放ったはずが、それは受け止められた。

「何をそんなに怖がる?」
「嫌だ!私に、触るな!!」


感じれば、震えているのだった。

ああ、この男は 知らぬうちに孤独を歩んで行く性質らしい
だがそれも、これまでだ


「案ずるな、私は アレクセイ…お前を手放しはしない」

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